2.2
少しずつ投稿
「祐介、なんで今日は食堂に来なかったのさ?一人で食べるはめになったじゃないか」
講義が終わりいざ家に帰ろうとすると遼太郎に声を掛けられた。残念だが今日は全く食欲が無くてね、なんて話しているとまた朝の事を思い出す。
ただピンク色に染まった道路と幾つかの赤い塊。あんなもの見たあとに普通に食事を摂れる奴が居たら見てみたいものだ。
「それは災難だったね、早く忘れなよ」
なんて彼は簡単に言うが、僕は一生忘れることの出来ない自信があるね。
そんな感じにいつもとほとんど変わらないように話をしながら、僕たちはいつものように駅前通りを歩く。
まだ暦の上じゃ春だというのに暑い。まるで逃げ込むように、いつもの喫茶店に入る。ここは大学に入ってから初めて見つけた店だ。少しばかり昭和の香りがするこの店を、僕は気に入っている。
「マスター、僕はブラックのホットを」
遼太郎はどんなときもホットを頼む。こんなに暑い日なのによく頼むものだ。さて、僕は水だしのアイスコーヒーでも頂こう。
「時に祐介、実は今日興味深い子を見つけたのさ」
なんだ、こいつはまた気に入った女をチェックしているのか?
「別にチェックする位いいだろう。じゃなくて、何だか不思議な子を見つけたのさ」
こいつはいつも変な女が好きだな。
「その子はいつも誰もいない隣を向いて話しているんだ。まるでそこに誰かいるように」
普通の人間なら頭のちょっとかわいそうな子だと思うだろう。ただ、僕は少しだけドキリとした。僕と同じだから。
「でさ、彼女に連絡先を聞こうとしたら逃げられちゃたのさ。残念ながら」
そもそも君は連絡先を交換できたことがあったっけ?
とまあ、少しばかり気になる会話があったものの、僕らはいつものように話を続けた。
時間が足らない・・・
感想お待ちしています。
P.S. いつの間にか100pv越えててビビった。
さらに追記 文法間違ってたとこ直しました・・・




