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とある夏の空想  作者: Caramel
3章
32/34

3.6

翌日、朝。


大学へ向かうために家を出ようとすると電話が掛かってきた。

誰だろう、と思ったら昴だった。

「おはよう、村上君。朝早くからごめんね。」

しかし昴が電話するとは珍しい事だ。何かあったのか?

「とくにこれといった用事は無いんだけどね。祐介君、途中の駅で待ち合わせして一緒に行かない?」

どうやら彼女からのお誘いの電話らしい。

まあ昨日みたいに急にされても困る。

僕は了承し、電話を切った。



駅へ向かう間、今日も死体を見つける。

相変わらずニタリと気味の悪い笑みを浮かべながら、打ち捨てられていた。

どうやら今日の死体は頭頂部付近が欠損しているようだ。

かなりの脳味噌が流れ出ている。

今日はそこまで血が多くないにも関わらずかなりグロテスクだな、そう評価してその場から立ち去った。



昴とは乗換駅のコンコースで待ち合わせていた。

大学まではたった数駅だがそれでも彼女との貴重な時間だ。

「おはよう、村上君。」

約束の時間から5分程遅れて彼女が来た。

「少しだけ電車が遅れたの、待たしてごめんね。」

昴の責任問題では無いし、そもそも5分程度だ、そこまで気に病む必要はない。

「じゃあ行こうか!」

そう言うと彼女は僕の手を引っ張ってホームへと向かう。

周りの通勤するサラリーマン達の視線が痛い。

だが心地よくもあるのだ。


満員電車の中、当然ながら僕と彼女は密着する。

……なんか彼女に悪い気がしてきた。それに恥ずかしい。僕は少しだけ無理をして隙間を開けようとする。

「別に無理しなくていいんだよ、村上君」

……どうやら彼女に気付かれていたようだ。余計恥ずかしくなる。


こうして無事僕と昴は大学前駅に着いた。

僕は彼女に手を引っ張られつつ、駅前通りを大学へ歩く。

こんな甘ったるい時間も良いな、僕はそう感じていた。

故に、辛くも感じるのだった。


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