2.18
彼女に会うとは驚きだ。しかし何故ここに彼女がいるのだろう。
「私はこの近くの駅に住んでいるんだ。すこし隣の市へ出かけようと思って。」
そうなのか、彼女はこの辺りに住んでいるのか。以外に近所だな。
「村上君こそなんでここにいるの?この辺りに何か用事でもあったの?」
そういえば彼女は散歩の事を話していなかったな……
冷静に考えたら当り前である。まだ彼女と出会って一週間もたっていないのだから。だが彼女はあまりにも僕の日常に溶け込み過ぎていた。この事をまだ僕は気付いていなかったのだ、
「じゃあ私、こっちの電車だから」
そう言って彼女は反対向きの電車に乗り込んだ。
列車が発車する。僕は少し寂しくなる。
じゃあ、また大学で……
と僕は呟き、一人ホームに残された。
その後は至って何も起こることなく帰宅した。
どうやら死体は週休二日制なのかもしれない。
明日も死体を見なくて済みそうだ、そう思うと少しだけ気が楽になる。
僕はコンビニで買ってきた冷やし中華を用意し、少し遅めの昼食を食べる。この季節になると冷たいものを無性に食べたくなる。冷やし中華と共に、冷やしてあったビールを飲む。
昼酒もいいものだ。少しダメ人間になっている気がするけれど。
ああ、旨い。
午後は適当にネットサーフィンでもして過ごそう。
PCを立ち上げる。高校生の時からずっと使っているPCだ。おんぼろだがそれなりには頑張ってくれている。
某掲示板に書き込んだりネット小説を漁ったり。
いつも通りのだらだらとした休日である。
ぼーっと過ごしていると、眠気が襲ってくる。
そんな中、ふと今日の散歩を思い出した。
彼女に会って少し話したこと。まるで旧来の友人のように。
少しだけ変な感覚がする。
何だろうか……
考えようとするも、僕は睡魔に抗うことは出来ず眠りに落ちた。
感想、批評お待ちしています。




