表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
とある夏の空想  作者: Caramel
1章
2/34

1.2 プロローグ II

 僕は村上祐介。冴えない地方大学の2回生だ。


 頭は良いとは言えないが悪くはない、顔も醜くは無いが特に目立った所もない、つまらない大学生だ。


 中学は普通に公立で、周りに流されるまま所謂自称進学校とやらへ進学し、またそこでも周りに流されそれなりの大学を選んだ。そして適当に入ったサークルとやらで適当な女と付き合っては振られ、このたび三度目の失恋を迎えた訳だ。


 こんな酷く退屈でつまらない人生を歩んでいる僕だが、一つだけ人とは違うところがある。


 それはもう一人の僕だ。いつも横にいる不思議な存在。これだけが僕の人生を少しだけ鮮やかにしていた。



 月曜日を迎え、重い足取りで大学へと向かう。今日は不運なことに朝から講義が入っている。さらに件の元彼女とも、2時限目の講義で顔を合わせなければならない。ああ、不幸だ。


「おはよう、祐介。今日はいつにも増して暗い顔をしているね。なにかあったのかい?」

こいつは遼太郎。高校からの友人だ。というか今現在、僕の唯一の友人だ。


 少しばかりセンチな気分になりつつ、やんわりと昨日の事を話す。

「あーあ、どうせまたつまらない、とかで振られたんだろ?」

 やはりそれなりに長い付き合い、勘がいい。

「でもそれが君のたった一つの良ささ。同時に唯一の欠点でもあるけどね」

 褒めてるか貶してるか分からないぞ。

「まあ、次はきっと上手くいくさ」

 どうだかな。


 こんな感じの友人との他愛ない会話をしつつ、僕は大学へと歩いていく。



 元彼女との顔合わせという難関イベントをこなし、僕はようやく帰宅した。


 今は午後8時半。いつものようにコンビニ弁当を温めつつ、テレビをつけた。


 丁度野球の放送が流れていた。

 そういえば初めての彼女とは野球を見に行った。彼女は野球が好きで、ほとんど野球の知らない僕は野球についての知識を叩きこまれた。おかげで今じゃ僕は一人の野球ファンになっている。


 そんなどうでもいい事を考えつつ、温めた弁当を食べる。

 未だに慣れない無駄に濃い味。体に悪いとは分かっていても、自炊する気力はわかないものだ。


『よう、相棒。野球はどうだ?』

 ふとぼーっとしていると。またもう一人の僕が隣にいる。

「残念ながらTが負けてるよ。いつも最初はいい感じなんだけどなぁ」

『毎年そうなんだから、いい加減期待するのは止めたらどうだい?』

「それでも応援したくなるのが人間という生き物さ」

 と適当な話をしていると、弁当を食べ終わった。


 さて風呂に入ろうかとすると、もう一人の僕は消えていた。

 いつ現れ、そして消えるのか未だに分からない。


 まあどうせ明日会えるからいいかと、僕は深く考えず風呂に入った。


短い(´・ω・`)

追記 誤字修正しました。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ