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とある夏の空想  作者: Caramel
2章
19/34

2.17

土曜日、朝。

悪夢が始まって最初の休日。

今日は何をしようか。いつも通り、散歩をしようか……

だが、また死体を見てしまうかもしれない。とは言っても、家の中で死体が作られる可能性もかなりあるのだが。


……まあいい、どちらにせよ見る可能性が高いなら、散歩に行こう。


とまあ、結局はいつも通りに僕は散歩をすることに決めた。



家から少しばかり離れたところにある小さな川。

その川沿いの道を僕は歩いていた。

道沿いには何本にも連なる桜の木。春には桜色の美しい空間になる。


この道はずっと前から僕が散歩する道だ。

思えばこの道で散歩を始めたのは中学に上がったころだっただろうか。

当時、まだ遼太郎と出会ってなかった僕は一人だった。

中学からの帰るとき、暇だった僕はふと遠回りをしてみようと思い、子ども特有の冒険心で僕は歩き回った。

そこでたまたま、桜色の美しいこの川を見つけたのだ。


僕は、ただ、ただ。


美しいと感じたのだ。



それ以来休日には必ずここで散歩をしている。


少しだけ昔を懐かしみながら。



しかし夏が近づき段々と暑くなってくる。

少しだけ、喉が渇く。


僕は道沿いの自販機で買った水を飲む。

口から流れ込む液体が僕を潤す。

ただの水なのに格段に美味しく感じる。

こんな何てことの無い事を、僕は楽しむ。



歩き続けてもう二時間は経っただろうか。川の上にある駅に着く。

ここから電車に乗って、最寄り駅まで戻る予定だ。

階段を上り、屋根のないプラットホームで待つ。


……暑い。まだ電車は来ないのか。

そう思わず呟いた時。



「こんにちは、村上君。」



彼女に声を掛けられた。


感想、批評お待ちしています。

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