2.16
全ての講義が終わり、大学を出る。
「やあ、祐介」
門を出たところで遼太郎に声を掛けられた。
「今日はあまり話せなかったからね。やはり日常的な行為をしないと少し違和感を感じるよ。」
・・・つまりは寂しかったんだな。
「君がそう思うのならそうなのかもしれないね。」
ツンデレキャラかな?
「まあ冗談は置いといて、祐介。君はまた死体を見たのかい?」
今日のはそこまで心臓に悪くはなかった。さほど外傷も見られなかったし。
僕は自然とそう返答してしまう。
「・・・やはり君は死体に慣れているようだね。異常な速さで。」
やはり僕はおかしくなってしまっている。周りからも気付かれる速さで。
頭が痛い。
辛い。
苦しい。
ふと視界が傾く。
「どうしたんだい、祐介!?」
その声で意識を取り戻す。危ない、少し落ちそうになっていた。
・・・すまん、少し自己嫌悪に陥っていただけだ。大丈夫だ。
「大丈夫な訳あるか!顔を真っ青にして、汗もこんなにかいて!」
遼太郎が僕を支える。
すまない・・・。もう大丈夫だ。
少しふらつきつつも、自分の足で立つ。
久しぶりに遼太郎が感情を激しくさせるのを見た。
「すまない、君にはこの話題はタブーなようだね。もうこの話題をするのはよしておくよ。」
そうしてくれると助かる。
この様にひと悶着あったものの、何時ものように喫茶店に寄りいつも通りの会話をした後、無事帰宅した。
しかし明日はどう過ごそうか。
久しぶりに一人で過ごす休日となりそうだ。
そう思いつつ、僕は夢の世界へと旅立っていった。
それが悪夢だとは知らずに。
感想、批評お待ちしています。




