2.12
「祐介、もしかしてだけど君はまた死体を見たんじゃないかな?」
こいつの予想はいつも当たるな。
「駅前通りで女子学生が自殺したと聞いてね、もしかしたら君も目撃したんじゃないかと思ったのさ。」
しかしこの状況はおかしい。普通の人間が死体を毎日見るなんて何かがおかしいに決まっている。
「そうだね、こうも続くとなると偶然では済まされないよね。でも果たして原因は特定できるのかな?」
・・・全くもって分からない。
特に自分が変化したわけでもなく、周りが変化したわけではない。
ただ、日常に死体との遭遇が追加されただけである。
それも、日常に溶け込もうとしている。
何なのだろう。
「祐介、聞こえているかい?」
なんだか声がする。
「祐介、君はまた深く考えているのかい?これは考えてもどうにかなる問題じゃないよ。」
少しばかり考えすぎたようだ。遼太郎の声が全く聞こえなかった。
まあ、どうにもならないことは僕だって分かっている。それでも考えずにはいられない。
「まあ、考えたくなる気持ちも分かるさ、でもしばらくは様子を見る位しか対処のしようがない。だから落ち着きなよ。」
・・・そうだな。少しばかり落ち着くことにしよう。
とまあ、僕は思考の渦から少しばかり例の事を追い出した。
そしていつも通り遼太郎と話していると、背後から声を掛けられた。
「こんにちは、村上君。それに東野君も。」
そこに山崎昴がいた。
少しずつの投稿で申し訳ありません。
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