2.8
翌日、水曜日。
僕はいつも通り電車に揺られ大学へ向かう・・・はずだった。
朝、いつも通りに来た準急へ乗り込む。
僕はいつも通り一番前の列車に乗る。
僕はいつも通りぼーっと窓の外を見る。
外はいつも通りだ。踏切を待つ車。ホームで列車を待つ学生。並走する市バス。
ふと乗換駅のひとつ前の駅を通過しようとした時、横に景色が傾く。
何事だろうと前を向くと、一人の女性がホームから飛び出す。
あっ、と思ったときには物凄い音がする。
女性だったモノは前面ガラスを突き破り、車内へと侵入してくる。
飛び込むのが少しばかり遅れたのだろうな、と冷静に考えつつモノを眺める。
ぐちゃりと潰れたそれは、少しばかりの黄色の粘液とただただ赤い液体をまき散らす。
まあ下で潰れるよりはマシだろう、台車の下に入ったら原型が無くなってしまう。なぜかいつも通りに僕は考える。
そしてその後に溢れ出す不快感。
思わず吐きそうになる、が少しばかり残った思考力がそれを防ぐ。
その時、やはりと言うべきなのか。
ソレはニヤリと笑った。
ああ・・・気持ち悪い。
今日でもう3連続だ。遼太郎の言う通りになってしまった。
僕は何かに憑かれてしまったのだろうか。怖い。
いや何よりも怖いのはほんの少しだが慣れている僕だ。
僕は僕自身が怖いんだ。
そしてもう一つ。
あのニヤリとした笑みが頭から離れない。
目をつむるとそこには気味の悪い笑みが浮かんでいる。
・・・気持ちが悪い。
僕は重い足取りで大学へと向かった。
今日はリアルに人身事故に巻き込まれて大変だった・・・(´・ω・`)
短くてスマヌ(´・ω・`)




