第二問
「はっ…はっ……ここまでくれば!」
「と思っているところ悪いけど、お疲れ様なのよね。 そして残念なお知らせです♪ ただいまをまもってここで逮捕させてもらうわ。 爆発能力者にしては小規模だったけど、被害がでてから遅いからね」
走っていた男性の前に小柄な少女がどこからともなく現れた。
服装は全身をつつむ、低身長でツルペタストーンなスタイルとともに彼女はブレザーを着ている。
彼女の髪は頭の右と左で結った髪型で俗にいうツインテールみたいなものだ。
「い、いつのまに!? 気配なんて」
「いつのまにって……あんたの行動がわかりやすいからに決まってるだろーが」
驚く男性の背後から白い髪を立てた少年が呆れたように歩きながら告げる。
腕を組んでいるあたり、かなりのつわもののようだ。
おそらく二人で組んだらさらに強力になることも男性には理解できた。
「さあさあ、おとなしくお縄について反省室に行きなさい!」
「そのまえに、力はもらうけどな」
腰に手を当ててにこにこ笑顔で言う小柄な少女を軽々と持ち上げると肩に乗せる少年。
まるで恋人同士ような光景を見せつけてくれている。
「ふ、ふざけるな! 俺お前らみたいなチビやガキに俺の野望を終わらせて」
「……誰が、豆つぶなみのちみっこじゃあぁあぁぁぁぁ!!」
男性が激昂して叫ぶのだが、少女は目がすわりそう叫ぶと手の平にどこからともなく金色のチャクラムを出現させてから二つにわけて男性へと投げつけた。
それは男性の身体のすれすれまでいき彼女の足蹴りが胴体に打撃が、そしてチャクラムは分かれて服に突き刺さる。
「アリス、ナイスコントロール」
相棒である少年は苦笑しつつも、男の手に手錠をかける。
まあ、ちなみに男性が気絶するようなことになったのはいうまでもないが。
「まったく、失礼しちゃう! こんなかよわい女の子にむかって」
「はいはい、気持ちはわかるけど、落ち着こうな」
怒り出す女の子に苦笑する少年は頭を撫でていた。
そしてポケットからスマホ型のカード機器をとり出すと連絡を取る。
暫くして相槌をうちながら少年は電話をきる。
「おまたせや~」
「おまた~♪ さーて、次はこの人からチカラを取り除かないとね?」
そこへ仲裁するように二人の少女が現れた。
一人は水色のふわふわロングヘアーの美少女でもう一人は桃色のポニーテールの美少女。
この二人は少年少女の知り合いのようだ。
「まいどまいどよく起きるよね~」
「そんだけここでチカラにめざるやつがいるんだろうよ」
腕を組んで少年の肩に腰掛ける少女――あいり。
少年はというとあくびを噛み殺しながら告げる。
少女二人は内容に苦笑しながらも気絶している男性に近寄る。
「さて、ごめんね……この力はもらうね? 目覚めたのに奪われるなんて嫌だと思うけど。
君はあまりにも大きな爆破を起こしすぎた、その記憶もすべてもらうよ」
そう言って、手をかざすといくつもの光の線となりながら男性の中に存在した力が少女の中へと流れ込む。
この力はとくに扱いが難しいのでもっとも力量が高い存在のみにやどると噂されている。