青春
ああ、どうしてもっとうまくやれないのか、まだやれることがあるじゃないか。
そう思いはすれど、どうしてもそのことを行動に移せない。
どうしようとないくらいに自分は奥手でチキンだと思う。
後輩や友達は青春してるのに、自分は青春のせの字すらできてない。
学校に行って学校終わりにバイトして、家に帰り着いてゲームしてから風呂に入り寝る。また起きて学校。
こんな毎日を過ごしていたらいつの間にか3年。
青春してるあいつらが羨ましい。けど、疎ましく思う。
わかってる。ただの嫉妬だと、自分にはこれが嫉妬だとわかってる。わかっているが、けど、しょうがないとしか言いようがない。今は寿司屋さんの終わりに後輩が好きな人のところに行き、そいつの帰りを待っているところだ。
はっ
笑える。
何が楽しくて後輩を待ってるのか。
それも、振られた友達の彼女のところに向かったらしい。
多分友達の彼女は後輩のことが好きなのだろう。
確かにいいやつではあるが、ちゃらんぽらんんなやつに変わりはない。
むしろ、振られたやつのほうがしっかりしてるのに……。
そう思わないでもない。九ヶ月付き合って別れを切り出すのは彼女の方ときた。
友達は、さっき連絡したら「もう涙しか出てこん」そうだ。
そうなるのはそうだろうな。
自分は好きなのに振られたのだから。
ただ前日に別れようみたいなことは言われてたらしい。
自分なら発狂しそうだ。
発狂して学校もバイトもそれどころじゃないだろう。
だが、残念ながらそんな経験はない。
むしろ、女性と付き合ったことさえない。
だから臆病者なのだろう。
好きな人に好きなんて言えない。言いたいけど言えない。
何とも乙女チックな感じだがそんなもんじゃない。
ただ振られたくない、失恋したくない。そんなことを思ってるから告白する勇気が出てこないのだ。
だがら、自分はどうしようもない奥手チキンなんだ。