表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/7

1.新学期です、クイズです。(解答編)

 きっと妖精、とは漢字の偏のことだ。


 木の妖精、言葉の妖精、水の妖精、糸の妖精、金の妖精はそのまま、木偏、言偏、さんずい、糸偏、金偏でいいのだろう。


 そしてパートナーのほう。パートナーは、『つくり』だ。

 ちょっと漢字がややこしい……辞書使お。


 うーん、コウは公、ウラは甫、リンは侖、セキは責、ソウは喿、オノレは己かな。こうじゃなかったら、話が合わない。

 えっとぉ、それで、後は表を書こうか。


 私は、大学ノートを開く。


----------------------------------


  公 甫 侖  責 喿 己 

木 松 × 棆 ×  橾 杞

言 訟 誧 論 ×  譟 記

禾 ×  ×  × 積 ×  ×

氵 ×  浦 ×  漬 × ×

糸 ×  ×  綸 績 繰 紀

金 鈆 鋪 錀  × ×  ×


-----------------------------------

 要するに、パートナ(つくり)が上、妖精(部首)が左端になる表を書く。

 そして、×が付いているところは、漢字が出来ないところ。

 意外と、漢字って色々あるんだね。


 で、一番気が合わない。つまり、一番できる漢字が少ない『偏』は、『禾』になる。つまり正解は禾。

 なんだか、色々と応用できそうな問題だな。


「これ、自信作なのよぉ。誰か解ける人がいたら、解いてみなさい!」

 自信作、と言うほどでもないと思うけど。

 まあ、目立ちたくないし、先生のプライドを傷つけないためにも黙っておく。


 と、思っていたけど。

「先生!」

 突然、美海が立ち上がった。

「由紀にゃ……じゃなくて、樋井さんは、こんなの得意です! 絶対わかってます!」

 余計なこと言うなー。

 美海は得意そうに、私にウインクをした。


「そう? じゃあ、樋井さん、書いてみてぇ」

 先生にチョークを渡される。もはや拒否の余地はないようだ。


「はぁ……分かりました」

 私は小さくため息をついた。

 黒板にさっきと同じ図を書いて、さっき頭の中で考えたのと同じことを言う。


「……ですから、一番気が合わない、イコール一番できる漢字が少ない偏、と言うことで、正解は禾になります」

「すごいすごい樋井さん~、なんでわかったのぉ?」

「たまたまです」

「そう? 先生嬉しいなぁ~」


「ちょっと待ってください、先生」

 男子の声にしては少し高い、だけど、冷ややかなその声は、先生と私を黙らせるには十分だった。


「おかしいですよ。こじつけです。第一論理的に考えたら……」

 はぁ、と私はため息を禁じ得なかった。

 この問題がこじつけっぽいと言うのは、私も思ったけど……こういうのって、学校の成績がいいからって解ける問題じゃない。


 まあ、クラスに一人ぐらいは、いるんだこういう人……たぶん。

 口先だけなら無視してたら害はないし。

 名前は……青木裕次縁あおきゆうじえんか。変わった名前だし、覚えとこ。


「……ふん。だからこんなクイズとかは嫌いなんですよ。そこの頭がトチ狂った女は、推理というものを知らないようですね。樋井、と言うのですか。確か、成績は中の中でしたよね。ボクみたいな上の上には、遠く及ばないですよ。クイズが出来るからと言って、調子に乗ってんじゃないですよ」

 あー、頭がトチ狂ったと言われると、ちょっとムカつくかも。


「何よ! 由紀にゃんはトチ狂ってなんかない。あんたに由紀にゃんの何が分かるの? あんたみたいなガリ勉の何百倍も、由紀にゃんは頭がいいんだから!」

 クラス中に響く大声でそう言ったのは、美海だ。


「それはうちも同意見」

 瑠璃も、めんどくさそうにそう言う。

「学校の勉強が、全部じゃない」

 

 クラスの中は、かつてないくらいに静まり返っていた。


 どうしよう、雰囲気悪くしちゃった……

 てか、この先生本当に敏腕なの?

 大丈夫なの?

 この前のことは本当にすみませんでした。

 以後こんなことが無いように、出来るだけ書き溜めてから投稿します。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ