人間界へ
創造神ゼウスが連れ帰った赤ん坊は、
15年の月日を経て逞しく成長していた。
「ただいまー!!じいちゃん!じいちゃん!
今日やっとグラディウスから1本取れたんだ!」
俺はじいちゃんことゼウスに言う。
「ほー!あの剣神から1本取るとはの。
さすがわしの孫じゃな!」
そう言って俺の頭を撫でくりまわす。
「やめてくれよじいちゃん、、」
俺は口ではそう言いながら満更でもない顔をした。
「ちょっとアンタたち!
そろそろご飯何だから、身を清めて来なさい!」
奥の部屋からヘラが声をあげる。
「わかったよー!ヘラ姉さん!!
じいちゃん、お風呂行こ!
たまには背中流すよ!」
そう言って俺はじいちゃんを連れて大浴場に来た。
「ねえ、じいちゃん、、
俺もじいちゃんみたいになれるかな?」
俺は神々と自分の力の差に悩んでいた。
「何を心配しとるんじゃ?
ハル、お前は強く、賢く育ってくれた。
ワシが拾い、育ててから15年、、
この神界にも他の神々にも
しっかりとついていけてるではないか?」
ゼウスは俺に背中を洗ってもらいながら続ける。
「お前はワシの自慢の孫じゃ、
お前は確かに神では無いが、
それでもワシの大切な孫じゃ。
神になる必要も無い、
お前はお前で良いんじゃよ。」
ゼウスはそう俺に言ってくれた。
「ありがとう、じいちゃん。」
そうして身体を清めた俺とじいちゃんは、
ヘラ姉さんが待つ部屋に来た。
「お待たせ、ヘラ姉さん。
今日のご飯はなんだろ?」
ヘラは料理中の手を止め
「あらハル、ちゃんと清めてきたのね?
今日はリヴァイアサンの煮物、
ペガサスの刺身、
ユグドラシルの葉で作ったサラダよ!」
俺はヘラ姉さんの献立を聞き、
パーッと目を輝かせる。
「リヴァイアサン!あれ超美味しよね!
ペガサスの赤身肉もすごい美味しいし!
ユグドラシルのサラダも良い香りで好きだな、、」
俺はヨダレが出そうになる。
「全くこの子は、、もう少しでできるから、
席に着いてなさい!」
俺はヘラ姉さんに言われ席に着き
じいちゃんと話す。
「ねぇじいちゃん?今日何かあるのかな?
ヘラ姉さん偉く上機嫌だったけど?」
ゼウスは笑い、答える。
「実は他の神々とちょっとした会合があっての、
そこでヘラの奴ハルを偉く褒められて
舞い上がっとるんじゃよ。」
俺は何をそんなに褒めらたのか気になったが、
グラディウスの修行でお腹がすき過ぎて
一旦置いとく事にした。
じいちゃんと談笑してる間に、
食卓塩料理が並べられる。
「さぁ、食べましょうか?」
ヘラが言い俺はいただきますと声を上げ
ヘラ姉さんが作った料理を口いっぱいに頬張る。
「ちょっとハル、、ゆっくり食べなさい!
はしたないでしょ?」
ヘラ姉さんはナプキンで俺の口の周りを拭く。
「だってヘラ姉さんのご飯、
いつも美味しいんだもん!」
そう言ってニコニコと食を進める。
「あなたからもなにか言ってやってよ?」
ヘラ姉さんがそう言いながらじいちゃんを見ると、
じいちゃんの髭の周りに沢山の米粒が付いいて、
俺とヘラ姉さんは笑った。
そうして食事を終え、
じいちゃんとヘラ姉さんから
話しがあると言われ、
俺は席に座っていた。
ヘラ姉さんが食器を片し終えて咳に着くと、
じいちゃんが口を開いた。
「ハル、来年からじゃが人間界の学園とやらに
通ってみんか?」
じいちゃんが俺に聞いてくる。
俺は正直ピンと来てなくて、
困った顔してヘラ姉さんを見る。
その顔を察したヘラ姉さんは、
「あなたに人間の友達を作って欲しいと思って、
どうかしら?行ってみない?」
そう言われ俺は悩んだが、
ヘラ姉さんがそう言うなら
その話に乗ることにした。
「わかったよ、じいちゃん、ヘラ姉さん。
来年から人間界の学園って所に行くよ。
でもこの1年間みっちり俺を鍛えてね!」
そう笑顔で返し、2人は満足そうに微笑んだ。
それから1年あっという間に過ぎ去り、
俺は16歳になった。
腰には自分で打った剣、星屑の剣を帯剣し、
服装は今年から通う学園の制服に身を包んでいた。
「んー、、変じゃないかなー?」
そう言いながら何度も鏡を見てると、
「ハルー!そろそろ降りてきなさい!」
ヘラ姉さんに下から呼ばれた。
なので俺は急いで階段を降り、
じいちゃんやヘラ姉さんが待つ部屋に入る。
「ごめん、じいちゃん、ヘラ姉さん。
俺変じゃないかな?」
俺は自分の格好を2人に見せると、
「よー似合っとるぞ、なぁ?ヘラよ?」
「そうね、カッコよくなっちゃって。」
2人とも褒めてくれた。
それに今この部屋には他の神々も来ていた。
「うぬ、、剣の鍛錬は怠るでないぞ?」
剣神グラディウスが言い
「お前が人間界にねぇ、、
喧嘩相手が居なくなって寂しいもんだ。」
破壊神アレスが言い。
「ハルくん頑張ってくださいね。」
月の女神アルテミスが言い。
他の神々からも様々な激励を言われ
そして最後にじいちゃんが、
「ハルよ、何時でもワシはお前を見ている。
帰りたくなったら
何時でもココへ帰ってきたって良い、
お前にはワシもヘラも
ここに居る神々が付いておる。
人間界を楽しんで来なさい。」
そう言ってじいちゃんは笑った。
「あなた?そろそろ。」
ヘラ姉さんがじいちゃんを呼び、
俺を人間界へ送り出す門を開け放つ。
「ハル、向こうに着いたら、
サモス教会へ向かいなさい?
そこの大司教には話は通しておくから。」
ヘラ姉さんに言われ頷く。
「じゃあ皆んな!行ってきまーす!」
そう言って俺は人間界へ通じる門をくぐったのだ。
門を通り抜けると全く知らない森の中。
サモス教会って何処だ?




