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愛と執着は紙一重【2】


「同情も見せかけの優しさも無かった。ただ一言、『他人には想像出来ない苦労も悩みもあるもんなぁ。皆、そんなもんやでなぁ。』って優しい顔で言われてね。」



「オットナー!」


 とニヤニヤした顔で相槌を打つひかり。まあ、話しを聞いている限り、ひかりが恋している光友隼人もそういったタイプの人だろう、と想像できる。


 ひかりと光友隼人…自分の話しじゃないけど。色々聞く限り、お互い興味を持っているのは明確なのに、自身が水商売をしていて、店で出会った人物。という事実が、どうやらひかりが一歩踏み出せずにいる原因を作ってそうだった。


「で、そのあとに『でも僕は、そんな苦労が作り上げた今のエマを愛らしく思ってるよ』って。」


「キャー!!それ、完全にアツい!!」


 ミオが純粋に顔を赤らめ、机をパチパチ叩くとその様子を見た私たちは思わず、笑みが漏れる。温子さんも、ミオを見て笑っていた。


 ミオは生粋の乙ゲー好きの、常に二次元に推しを作るタイプ。対するリンはあまり男性に興味が無く、良い人がいれば、とドンと構えているタイプ。この二人はかなりの対局の様にも思える。


「その言葉を聞いて、私の中で今しかないって何かメラメラ燃えてくるものがあがってきて。で、『本気でそう思うなら、お付き合いしてください』って言ったの」


「……エマ、凄いな。」


 リンが目を大きくしてそんなことを言った。


「まあね、タイミングは逃したくなかったし、何よりあの日皆に慰めてもらってから、少しだけ自分の気持ちに素直になって、自分のために生きてみようって思えたから……。」


「じゃあ向こうは驚いた顔をしたけど『喜んで。僕なんかで良ければ』って手を出してきた。──ま、そのあとは特にロマンティックなこともなく、向こうも北海道にいく用事があるとかで、関空まで送って解散したんやけど」



「……男の人と触れ合ったことがないわけじゃない。でも、好きな人と手を繋いで歩くって、こんなにも胸がドキドキするもんなんや。ってこの年にして思ったんよ。」



 




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