四魂の導き2
「ぎゃぁぁ! 迫ってきとるやないか!しっかりせぇ!ほら、右の黄色のヘソ出しのお嬢ちゃん!なんかアニメみたいに光るやつ、出せんのか!」
源蔵の無責任な叫びに、りんが眉をひそめる。
「……もう、分かったよ! えいっ!」
勢いよくステッキを横に薙ぐ。
すると先端から、月と太陽を思わせるまぶしい光がライン状に走り、怨念の足元を照らした。
黒く大きな影が動きを止め、声にならない呻きを漏らす。
「おっ、すごい!いけいけ! シャイントパーズ!」
「ちょっと……ネーミングセンス皆無ね」
えまが冷ややかに呟きながら、ステッキを振る。
紫のアメジストが明滅し、影で編まれた鎖が怨念の胴体をぐるりと巻き上げた。
拘束された怨念が、黒い霧を吐き出す。
「……その衣装には合ってるかも。アメジストシャドウ、とか」
「……。」
りんの絶望的なネーミングセンスの無さと対称の無垢な笑顔に、えまは何も言わずにそっと視線を逸らした。
「うわっ! 臭い!このモヤモヤ、嫌な感じがする……!」
ひかりがそんな二人を横目でチラリと見てから、思わずそんな言葉を口にし、自らの鼻をつまむ。
「おお、感じるか! 青色!」
「ひかりね! 私は星野ひかり!」
「ひかり!その【嫌な感じ】の正体こそが❝怨念❞や!この神社で出たことを考えるに……独占欲や嫉妬から生まれたもんやろう!」
「ひかりちゃん、危ない!」
みおが源蔵の話を遮ると、勢いよくピンクのステッキを振りかざす。
「ハーモニーブロッサム!」
舞い散る花びらと柔らかな風が、毒霧を中和し、境内の空気を清めた。
「よっしゃあ!鳳の女神たちが揃い踏みじゃ!」
源蔵がどこからか取り出したメガホンで叫ぶ。
「その化け物の胸の奥にある、黒い水晶を引きずり出すんじゃ!」
「……確かに、気になるわ」
えまが呟く。
「はい。あの水晶を中心に、影が流れ込んでいます。まるで……心臓みたいです」
みおが静かに頷く。
「なるほどね。ひかりちゃん、一番近いわ。イケる?」
「言われなくても!」
「道だけ作る! シャイントパーズ!」
「ありがとう、りんちゃん!」
ひかりは高いヒールで石畳を蹴り、怨念の懐へと飛び込んだ。
「これで……終わり!アクアサファイア!!」
濁流のような水色の光が、怨念の核を直撃する。
バリバリと黒い霧が剥がれ落ち、クドクと脈打つ煤けた黒水晶が露出した。
「みんな! 今だよ!」
導かれるように、四人が中央でステッキを交差させる。




