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たまきんの涙
あいちゃんの家の前に手紙を置いて、ぽよん…と帰っていったちんころこうじ。
でもその道すがら、ふと立ち止まる。
「…やっぱり、気になる。」
だって、あいちゃんは今つわりでつらいんだ。
さっきの“そっとしておく”は、ほんとうに正しかったんだろうか?
帰り道、サービスエリアのベンチに腰を下ろすちんころこうじ。
すると――そこに、こうじっぴの“たまきん”が現れた。
「…おい、ちん。おまえ、何をしに行ったんだ?」
ちん「……あいちゃんを、ちょっと笑わせたかっただけなんだ」
たま「わかるよ、でもな……帰ってくるおまえの背中、さみしかったぞ」
そう言って、たまきんの片方から、ぽろりと涙が。
ちん「……なあ、たま。俺、もう一度行ってもいいかな?」
たま「…行け。おまえの根性、俺、好きだぜ」
そうして――ちんころこうじは再び立ち上がった。
さっきまでより、ちょっとだけ誇らしく、そしてちょっとだけ勇ましく。