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第5話「岸谷前総理③ ~超絶有能秘書吉田くんに救われる。サイコパスくそメガネの対応は疲れすぎた。泣~」

~首相官邸執務室にて~


コンコンコン、ドアをノックする音。こんな綺麗なノックの音は彼しかいない。


「失礼しま~す」


吉田くんが、蕎麦を持って入ってきた!


助かった…!吉田くんナイス。キッシーに正直わけのわからない話ばっかりされて、めちゃくちゃ疲れていたんだ!


「吉田くん、ダメじゃないか~!まだ岸谷総理と打合せの最中だよ。一体何の用だい?」


吉田くんがこちらに目配せをする。


「すみませ~ん。お蕎麦が早く届いてしまって。お蕎麦なので、伸びるとあれなんで、先にお持ちしました~」


さすが吉田くん、こっちのピンチを察知して来てくれたんだね!蕎麦も早めに来るように頼んでいてくれてたんだね!控えめに言って神!


「岸谷さん、ここらでちょっとお昼にしませんか?お蕎麦お好きでしたよね?」


岸谷は吉田くんに笑顔を向ける。


「ああ、ありがとう。そうしましょう。彼、素晴らしいね。さっき好みを色々聞いてくれたんですよ。


藪蕎麦がいいとか、天ぷらは何がいいとか。色々教えてくれて。若いのに大変な博識だね」


「そうなんですよ~。彼にはいつも助けられてまして~。

さあさ、伸びてしまうとあれなんで、早速食べちゃいましょう!」


ふと配膳された蕎麦に目を向ける。これっ!お店で一番高いやつじゃないか!!


吉田くん、さては自分の分も頼んでいいって言われたから、一番高いやつを頼めるように、岸谷さんにうまいこと言ったんだな。


吉田くん…、恐ろしい子っ…!


「では失礼しま~す。ごゆっくり~」


吉田くんは微笑みながら颯爽と部屋を出て行った。


ああ、吉田くん行っちゃうのかよ…。一緒に食べればいいのに。というか逃げたな…!


「では私も失礼して、いただきます」


う~ん。味がしねえ…。藪蕎麦のつゆってからいはずだよね…?


「石波さん、彼はいったい何者なんですか?いつからいるんです?」


岸谷が微笑みながら興味深そうに聞いてきた。


「はあ。彼はこの前の総裁選の最中にふらっとやってきて、それから秘書をやってもらってるんですよ。


なぜだか田名角栄先生の紹介状を持って来て、秘書になってあげますよ~。とか上から目線で言ってきて。


なんか3~4歳くらいの時に角栄先生と友達になって、石波が将来総理になったら、秘書になって面倒を見てやってくれって頼まれたらしいんですよ。もちろん嘘だと思いますけどね。


なぜそんなわけのわからない嘘をつくのか不思議なんですが、角栄先生の名前を出されたら無下にするわけにもいかないじゃないですか。紹介状の筆跡もなんだか角栄先生のとそっくりなんですよね。おかしな男です。


もう30年以上経つのですね…。角栄先生が亡くなってから…」


岸谷は興味深そうに頷いた。


「ふふふ。おもしろいですね。案外ほんとうかもしれないですよ。彼、あきらかに普通じゃない。うちの事務所にリクルートしてもいいですか?」


何言ってんだこいつ。


「またまた~。何言ってるんですか。ダメですよ。岸谷さんもほんとご冗談がお好きですね」


岸谷は急に真面目な顔になって、

「さて、食べたらさっきの続きをやりましょうか。ウクライナの件だけは話しておかないと」


忘れてねえ!


「はい。よろしくお願いします」


はあ~。蕎麦湯でも飲むか…。

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