第4話「岸谷前総理② ~サイコパスくそメガネは、レーシックやくざメンタル激熱男だった件。つよい~」
~首相官邸執務室にて~
岸谷は話を続ける。
「総理は普通にしてたら○にますよ。これは誇張ではなくて。
そういえば、私も演説中に手製の爆弾を投げられたことがあったな。
あっ、なんか投げられた。ああ、爆発したわ。おおー、地元民が取り押さえた。地元の漁師つええ。みたいなね。
まああれは、アメリカが絡んでないことはすぐにわかったから、全然何ともなかったんですけどね」
…。なんちゅうメンタルだよ!この人は。
「いや、あの時は…ほんとに。ご無事で何よりでした」
「ほんと迷惑な話ですよね。紛らわしい。
それで、ほんとうにヤバいのはアメリカが絡んでいる時なんです。これは○にます。
安部野さんは米■■党系の■■■に○されました。
当たり前ですが、逮捕された■■の自作のパイプ銃なんかでは致命傷は与えられませんよ。
せいぜい大きい音が鳴って火傷するくらいです。実行犯は別にいます。
事件の真相の詳しい経緯は機密文書を見て下さい。
とにかく、この機密文書を全部深く読み込んで、出来る限り詳細に分析してください。
そして、アメリカの思考パターンと内在的論理を正確に理解して、ギリギリのところを突くのです。
この作業が日本の国益に直結します。
読みが浅いと自分が○ぬし、アメリカの言いなりだと国ごと亡びます。
国が亡びるくらいなら、自分が○ぬ方がまだましだと思うかもしれない…。
安部野さんはギリギリを攻め過ぎたんですね。純粋に国益のために。
首相とキングメーカーを10年近くもやってたから、少し油断した部分があったのかもしれない…。
ただやはり○ぬべきではなかった。あのクラスまで行くと存在自体が国益に等しいですからね。
石波さんもなるべく○なないでください。私もできるだけ○ななないようにします。
小菅さんや、他の元総理も基本的には同じ考え方です。○なない方がいい。
生きてこそ国のために働ける。そういうもんだと思っています…。
小菅さんはあんなにスローになっても生きてますからね。本当に立派なもんです。
石波さん…。これからはあなただけが頼りだ。私もできる限り協力する。
この国のために一緒に頑張ろうじゃないか!安部野さんの無念を晴らしましょう!」
岸谷はそう言って少し潤んだ目をそっと閉じた。
熱い…。この人、ただのサイコパス野郎じゃなかったんだ!
「岸谷さんっ…!やりますよ!私も。やってやりますよ!お国のために全力を尽くします!」
あと、純粋に○にたくないです!単純にマジで。
岸谷は目を開いた。もう笑っている。
「ありがとう。石波さん。よろしくお願いします!
とにかくまずは外交です。そこでアメリカの論理を逸脱しない限り、まあ○ぬことはないと思います。
安部野さんは保守本流で対米従属のイメージがあったけど、実際にはかなり対中協調をやっていましたよね。
しかもかなり急いで。おそらく相対的にアメリカの国力が落ちていることを感じていて、うまいことバランスを取ろうとしていたんだと思います。保守層を抑えつつ、上手に立ち回るという、安部野さんにしかできない綱渡り的な芸当だったと思う。
石波さんのアジア版NATO構想と基本的な考え方は同じですよね。いうなれば現代版大東亜共栄圏でしょ?主役は日本じゃないけど。
アメリカの国力が相対的に落ちてきて、アメリカによる世界の単独覇権、すなわちパックスアメリカーナが終焉を迎えつつある。特にアジアは中国・ロシア・インドの力が強くなってきている。
アメリカ単独覇権から世界が多極化に向かう中で、日本はアメリカ一辺倒ではなくて、ある程度他の国とも協調していかないといけない。そうしないとアジア地域で孤立してしまう。アメリカの支援が今より弱くなると、日本はもう持たない…。
そういう危機感の中で、安部野さんは急ぎすぎてしまったんだろうね…。
方向性としては正解だけどタイミングを見誤ったっていうね」
「同じ轍は踏みません…。しかし、どうすれば…」
本気でわからない…。どうすればいいんだ。
「とりあえずはアジア版NATOはいったん引っ込めて、タイミングを待つことです。
トランプが大統領になると、流れも大きく変わるはずです。
日米合同委員会の価値観が絶対ではなくなる日が来るのです。
石波さん、アメリカの今の最大の国家秘密ってなんだかわかりますか?」
「わかりません…。アメリカは米だけど、実はお米の生産はあまりしていないとかですか?」
ぶっ込んだ!これはいけるか…?
「ちがいます。バイデンが痴呆症だってことですよ」
スッ、スルーされた…!
「そんなバカな!?見たまんまじゃないですか…」
「そういうことです。今のアメリカはもうわけのわからないことになっている。
国民総痴呆症と言ってもいいかもしれない。左派のマスコミが終わってるんだ。薬物も蔓延している。
トランプになると劇的に変わるはずです。トランプはパックスアメリカーナを止める。ウクライナ戦争も止める。
まともになって自国優先主義になりますよ。
これからがチャンスなんですよ、石波さん!
もっとも最後のチャンスかもしれないが…。間違えずにやれば本当に、日本の国益に繋がります」
岸谷は力強く頷いた。