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エッセイ

大学内でネイルをしあう女子学生たちの尊さ

作者: えり

私は女子大の出身だ。その女子大に在学中に学内で見かけ、「尊い……」と思った場面を思い出したので、ぜひ共有したい。


ある日、大学の学内を歩いていた時に、フリースペースの机を挟んで座る二人の女子学生を見かけた。

金髪のいかにもギャルといった見た目の女子学生と、長い黒髪に白色のワンピースを着た女子学生だった。

やや意外性のある組み合わせに、思わず注目した。

露骨に立ち止まりはしないものの、ややゆっくり歩き、後ろめたさを感じながら聞き耳を立ててしまったのだ。


ギャル「ねぇ、ナナ(仮名)にはこの赤色が似合うと思うんだけど。」

黒髪「えーそうかなぁ?」

ギャル「え、似合うって、マジで。」

黒髪「ユミ(仮名)に任せるわ。」


似合う?何が?と思ったが、机の上を見て納得した。「あぁ、ネイルか…。」

机の上には大きい黒いポーチと足の二本生えた平べったい板、そして白いティッシュのようなものが小さく数枚。

足の二本生えた板のようなものはコンセントとつながっているから、ジェルネイルに使うUVライトであろう。

金髪のギャルは大きい黒いポーチから色とりどりのビンを取り出して相手に見せているのであった。


私が見たのはそこまでだった。

私は目的の教室まで歩きながら、先ほど見た光景を思い返した。


黒髪の白ワンピースの女子学生のほっそりとした白くしなやかな指。そして、それをそっと持つ金髪のギャル。

あの二人はお互いが、お互いの爪にネイルを施しているのだろうか?

ジェルネイルは手慣れているか、とデザインによるが、両手で1〜2時間を必要とする。その間ずっとああしているのだろうか?

一度始めてしまえば、終わるまで手は不自由になるし、席を離れることはできない。その間、何を話すのだろうか?

デザインは自分が決めるのか?相手が決めるのか?


体の一部を接触させ、居場所を固定され、己の美意識を示す爪を相手のセンスに託す。


実はあの光景は厚い信頼の上に成り立っているのではないか。

なんて尊いのだろう。

あの光景は私の心に強く深く残ることとなり、今も私は囚われている気がする。

フリースペースを通りがかかることがあれば、ネイルをし合う女子学生達がいないか探すし、もし見つければ尊い場面をみたとその日一日は元気に過ごせる。


なんて良き光景に気がつけたのだろうか。

みなさんの思う尊いシーン、感想でお待ちしてます。

吉屋信子好きの方がいたら次に投稿するエッセイもぜひ読んでいただきたいです。

共感いただけたらぜひポイント評価してください。

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