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93 1594年1月1日 名護屋城攻城戦1

挿絵(By みてみん)


1594年1月1日 名護屋城の年賀会の後で、茶々と森蘭丸、織田信孝、村上景子(きょうこ)、と自衛隊員の栗林詩乃(うたの)陸曹の5人が唐津の鰻店、竹屋に来ている。


栗林陸曹は小柄だがバストが92ある。とはいえバスト全体が大胸筋でないかと疑いたくなる。バストサイズからは想像し難いがAカップである。ウエストは56だから凄まじく(くび)れている。ベンチプレスは100キロは軽く上げる。


織田信孝(のぶたか)兵部卿(ひょうぶきょう)中将(ちゅうじょう)・織田信孝)と呼ばれる。

兵部の卿は朝廷の役職名、新たに作られた令外の官:征夷中将軍とを併せ持った呼名である。


村上景子は因島村上水軍の頭目であり、露梁(ろりょう)海戦で小型双刃(そうは)艇にて明船400隻を葬った。


茶々:「新年明けましておめでとう。」


秀吉は名護屋城で秀頼の世話をさせられている。


村上景子:「宜しいんですか?、秀吉さんを呼ばなくて?、秀頼ちゃんは乳母にまかせておけば良いのでは?」


茶々:「良いのじゃ。たまにはオシメを変えたり哺乳瓶で乳を飲ませないと父性愛(ふせいあい)が育たぬ。」


織田信孝:「左様な物で御座います。(それがし)も、散々オシメを変えさせられました。」


森蘭丸は既視感(デジャヴュ)を感じた。


茶々:「それに、あの者は村上景子殿に下心がある。先代以上にドスケベじゃ。連れて参れん。」


村上景子:「いえいえ、アレなるは先生の御役目にて致し方無き事、それにアレはアレで楽しゅう御座いました。」

※アレについては(56話 影武者 豊臣秀吉 11 嘉藤治五郎)にて確認して頂きたい。


織田信孝が奇妙な表情をしているが、親父に似ず無頓着であるから気にしない。


麻奈:「こちらのメニューですが、本日は鰻の炭火焼がお勧めです。ザックリ殺したてで生血(いきち)が新鮮で今が食べごろです。」


鰻屋なので鰻がお勧めなのは判るが、表現が戦国時代らしくて、いささか引く。


名護屋城勤務の麻奈が竹屋鰻店でバイトをしている。年末まで本業での金融事務が目が回るくらい忙しかったからストレス解消も兼ねてのバイトである。

麻奈には息抜きと実利も兼ねての一石二鳥である。一方の可奈はくたびれ果てて名護屋城の7階特別室で寝ている。たぶん正月三ヶ日は起きてこない。


村上景子:「麻奈さん、その服は竹屋さんの制服なの?」


麻奈:「いいえ、竹屋さんにバイトを紹介して下さった蘭丸様に用立てにて頂きました。萌え・・・・えーとぉ?」


森蘭丸:「(萌え コスプレ メイド 服 セクシー コスチューム カフェ)に御座います。いささか地味でしたので 刻限が来たら着替えて貰います。」


茶々:「さようか・・・・・・。」


森蘭丸:「正月早々に御座るが、鞆幕府の御方(おんかた)と食事を出来る好機に恵まれたは恐悦至極に御座います。」


突然、森蘭丸の口調が変わる。蘭丸が突然真面目になると、糞真面目なオタク談議を聞かされのが常であるが今回は違うようだ。


茶々:「今日の評定の事であろう。聞き及んでおる。秀吉の名護屋城・城攻(しろせ)めであろう。」


織田信孝:「何事で御座いますか?誰が誰を攻めると申されますか?」


森蘭丸:「秀吉殿による秀吉殿の為の秀吉攻めに御座います。20万の軍勢による攻城戦(こうじょうせん)にて銭の(いくさ)相成(あいな)ります。」


村上景子:「やはり、そうなるか。難しい戦となるな。我らが秀吉殿に預けし銭、秀吉殿が諸将に預けし銭、負ければ秀吉殿も我らも破綻致す。」


織田信孝:「なんと銭の戦に御座いますか。(それがし)、銭太鼓がしとう御座います。ワハハハ。」


村上景子:「信孝、少し黙っておれ。」


村上景子は兵部卿(ひょうぶきょう)中将(ちゅうじょう)・織田信孝を一喝した。そうゆう上下関係であるが、2人は夫婦である。夫婦別姓なのは、無論、理由が有るが今は話の続きを聞こう。


村上景子:「20万の包囲軍の内、諸将を除く5万の敵は討ち滅ぼさねばならん。ならば八咫烏(やたがらす)しか無い。」


森蘭丸:「左様に御座います。それ以上殺したら借金の返済が(まま)なりません。」


村上景子:「毛利輝元一族は如何(いか)が致す。」


森蘭丸:「かの者共は領国が中国地方にて囲みには入らぬと思われますが、何分(なにぶん)、多額の債務に窮しており予断を許しません。」


村上景子:「相判(あいわか)った。それも検討しよう。さらには後世世界(ごぜせかい)(現代日本)への影響も考慮せねばなるまい。それと秀次にも了解させねばならない。返済の催促は事の成就の後とする。」

― ― ― ―


読者の方には話が飛び過ぎて判り(つら)かった事をお詫びする。因島村上水軍の頭目・村上景子は軍事の天才にて風や潮流を読むのに(たけ)けている。それは人の心と世の中の流れを読むのにも通じる。1を言えば10どころか百手先まで先読みする。


しかして、(いささ)かネタバレすると秀吉の名護屋城下の在留諸将の対策は義父の信長より相談を受けていた。信長は、豊臣秀次の聚楽第を通しての大口投資家であり、秀吉からの返済を気にしていた。と言うより気が気でない。


史実の大坂夏の陣での豊臣氏の滅亡の最大原因は淀君と秀頼の失策と言うより、大坂城に(たむろ)する牢人衆の放逐に失敗した事による。

更には決定的だったのが、総堀の埋立であるが牢人衆の糞尿が(おびただ)しく、埋立せざる得なかったと言うのが筆者の推測であるが穿(うが)った見方だろうか?

― ― ― ―


旬彩膳(和と鰻)羽衣コース

【お料理7品】

・前菜

・御椀

・ 肝焼き

・う巻き

・白焼き

・生醤油焼き

・いづも焼き


【お食事】

・うな重(松)、肝吸い、お新香

・季節のフルーツ


さてさて、お料理七品の四品目の(う巻き)が来たが栗林陸曹は我慢が出来ない。料理が遅すぎるのだ。

お持ち帰り用に頼んでいた特鰻重の3折を料理の順序と関係なく平らげる。自衛隊では食事の時間が限られているから、会席だのフルコースなど関係ない。食事時間も戦闘状態である。

一折400文(20000円)もする特鰻重が次々に空になる。400文は高い様だが、ずいぶん値下がりしている。出雲の宍道湖産、ナマズ鰻が大量に出回った為である。なんと16世紀末に鰻の完全養殖に成功してたのである。


しかも恐ろしく美味い、皮は厚いが香ばしく滑らかでとろけるようであり、身はふくよかでモッチャリとマッタリして滋味深いが癖がない。

いささか表現が難しいがグルメ漫画ではないから大目に見てもらいたい。


汽水湖の宍道湖でたまたま見つかったドジョウを養殖生簀(いけす)で飼っていたら大きくなった個体があった。

湖底が砂地の囲い生簀に移して配合飼料を与えると瞬く間に産卵→稚魚→成魚に成長した。日本鰻のように(プレレプトケファルス)などのややこしい形態はとらない。


借金で苦しむ毛利輝元と小早川隆景が始めて食して、大感激にて感涙に咽び泣いて喜んだが、アッサリと石見銀山・代官管轄の天領に組入られてしまった。宍道湖七珍と共に朝廷の中央国家財政を潤す事になる。この頃は天下三分(織田・豊臣・徳川)により漁夫の利を得た朝廷の権威が著しく回復して後陽成天皇中興とさえ言われる。


天領は織田信長の統治であるが、利益の一部は取決めにより朝廷に流れている。無論、石見銀山を信長が献上するはずは無い。戦国時代の国家財政は石見銀山で成り立っている。

― ― ― ―

(後述)

関係ないような鰻の話となったが、当初は(戦国鰻談議)のサブタイトルにしようと思っていたから致し方ない。核融合発電やリニアモーターカーより先に鰻の完全養殖と低価格化を実現して欲しい。

中国産の北太平洋のサルガッソー海域で生まれたシラスを養殖した超特大鰻は美味くない。


栗林詩乃陸曹:「・・・ウマ・・・ウマ。」


出る料理を瞬く間に平らげる。村上景子は栗林陸曹を連れて来た事を少し後悔したが致し方ない。

何故なら、彼女は鞆幕府駐屯の自衛官最強と言われる。しかも男女通じての最強であり、部内格闘戦では206連勝を記録し「類人猿最強」と言われる。

一般的に男女間では、遺憾(いかん)ともし難い体格差が有るが栗林陸曹には、それをも凌駕する必殺技がある。男性の最大の弱点(金玉)が栗林陸曹には無い。

故に金玉攻撃に(かな)う男性自衛官はいない。


いささか問題になったが栗林陸曹の一言で禁じ手にはならなかった。

「子種が無くなったら私が何時でも相手してやる。中出し自由だ。かかってまいれ!」

栗林陸曹は(よわい)24歳になる。特定の男性はいないが、不特定の男性はかなりいる。


(後述の後述:後述が長くなったから、今回は後述は無しです。)



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