87 1593年11月20日 マイニラ鬼ヶ島
すいません、構想がまとまらないので、鬼が島の話です。桃太郎もお宝も出てきません。
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1593年11月20日 マイニラ
船外発動機を搭載した曳船と帆船が行き交うマニラ湾に注ぐパシッグ川に面したサンティアゴ要塞にイスパニア総督府がある。
曳船には船外発動機が使われていたが、遠洋航海の主役は3本マストのガレオン帆船である。
1585年の天正YANMAR発動機事件から実利を取り、小型の船外発動機が現地生産されたが、重要な部品は現代日本からの輸入一択である。スパークプラグなど現地生産では手も足も出ない。
というか内実は現代日本政府の歴史不介入政策により輸出入が出来ないため、現地生産と銘打って、ほぼ完成品を現地で組立てているに過ぎない。21世紀の工業製品が16世紀に作れる訳が無い。
ましてや発動機を大型化して貿易船に搭載など思いもよらない。1ダースくらい付ければ5ノットくらい出るかも知れないが、採算割れは確実なので試す気にもならない。
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イスパニア・フランシスコ総督:「なぁ、コーヒーとカカオとバナナにピーナッツの農園の収穫は順調に進んでいるか?」
イスパニア兵士A:「それですが、労働者が不足しています。」
フランシスコ総督:「マカオ、シャム、ランサン、広南、カンボジアから連れてこれんか?」
イスパニア兵士A:「連れて来るだけで帰さないから、新しく来ません。」
フランシスコ総督:「何と!、それでは私が人拐いに思われるではないか。」
イスパニア兵士A:「その通りです。金になる仕事が有ると連れてくるばかりですから。」
フランシスコ総督:「なぜ、帰してやらん。」
イスパニア兵士A:「梅毒や唐瘡やマラリヤにて帰すに帰せません。」
フランシスコ総督:「そうか、仕方ないな。して、その者たちはどうしている。」
イスパニア兵士A:「症状の酷いものは使い物になりませんので、島に送っています。」
フランシスコ総督:「島、、どこの島だ?」
イスパニア兵士A:「ルソン島北部のバタン諸島のディネム島です。」
※バタン諸島はフィリピン最北端の島々で、イトバヤット島の東海上の東西1.5キロ程度のディネム島
が居留地に選ばれた。医療施設はもちろん無い。住まいも「傷病者」が建てた掘っ建て小屋である。
バタン諸島は後世の(バターン死の行進)とは名前が似ているがフィリピンの違う場所である。
しかるに凄惨さに於いては(死の行進)と同等以上と言える。居留5年後の生存率は50%と伝わるが
生きている者は、地獄の鬼も近寄れない、地獄の底の赤鬼になったと言われる。
伝説等で「鬼が島」が見受けられるが、一般的には西洋人の漂着者と言われる。その方が話の筋としては楽であり、たとえ真実を知っていても、子供に聞かせる「お伽噺」には成りえない。
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秀吉(嘉藤治五郎)vs小西行長・加藤清正の話をするつもりでしたが構想がまとまらないので
軽く、、、、お伽話のネタ割をします。ヘビーな話ばかりだったので気休め?になったでしょうか。
グリム童話なども、実は結構怖い話ですね。