83 1592年10月18日 麻奈 治五郎 佳志子
作中の人物の名前を変えます。ご指摘ありがとうございました。
(81 1592年10月18日 治五郎 麻奈)より抜粋
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麻奈:「それでは私もお願いいたします。今日も寝技と絞め技をお教え下さい。」
麻奈は先日、秀吉に締め落とされ活をいれて息を吹き返してから、絞め技を好んで教授してとしつこい。
可奈は普通に立技や寝技を学びたがるが、麻奈は趣向が違う。双子でもそれぞれなようだ。
無論、秀吉も麻奈には手加減して、むやみに落とさない様に心がけている。極めて危険なのは戦国時代でも例外ではない。麻奈の頭文字(M)をとって覚えておくと間違いはない。無論、余談である。
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柔道では掛け声が大切である。
試合であれば、はじめ!の合図で、
「さー!」とか、「よし!」とか、「は!」とか、「おぅ!」とか言う。大事なのは気合である。
ところが麻奈の掛け声だか微妙に違う。
「さぁーん!」とか、「よぉーしぃ!」とか、「はぁー!」とか、「おぅぅー!」とか、やたらと小母音が入る。
秀吉:「釣り手は相手の襟を持ち上げ、引手で袖口を巻き込む!」
秀吉は麻奈の襟と袖口を摑んで一連の動作を繰り返す。背負投げの形を教えているのだ。
麻奈:「はぁぃ、秀吉様、ぁ、ぅ、ん。」
秀吉が袖を摑んで手首を返すと、麻奈の乳房が秀吉の右手の甲で圧迫される。無論、セクハラでない。そんな事を言っていたら、女子柔道部の指導は出来ない。
秀吉:「秀吉様はいらぬ、腹から声を出せ。気合じゃ。」
麻奈:「はぁっ!、おぉぅ!。」
少しはマシになって来たが治りそうもない。
攻守交代して麻奈が攻め側になり、秀吉を簡単に巻き込み一回転させる。秀吉が背中から落ちる。
どうやら麻奈は相手を腰で跳ね上げるタイミングに天性のものが有る。
立技を鍛えるとモノになると秀吉は期待している。指導者として稽古も楽しくなる。だが茉奈は立技より寝技が好きである。好きなモノは仕方が無い。
秀吉:「そこから寝技を仕掛けい。」
仰向けになった秀吉に麻奈が袈裟固めをする。秀吉は抵抗したフリをしながら相手の技にかかる。
麻奈の寝技は特徴が有り、一度決まると秀吉でさえ簡単には返せない。必殺技と言える。
麻奈が体を密着すると固さが残る乳房が腕と胸に押し付けられる。頭に回した腕が深く入りすぎて顔が密着する。早い話がベッタリ抱きついた感じだ。ゆえに簡単には解きたくない。
さらに体制を入れ替えて、麻奈が秀吉の帯を取り上四方固めにはいる。ただし実戦では相手が帯をしているか判らないので秀吉は袴を掴む事も想定している。
秀吉の柔道は競技柔道ではない。戦国時代の命を掛けた実戦柔道で有る。故に禁じ手は無い。
秀吉:「そこじゃ、そこで相手の急所を握り潰せばそなたの勝ちじゃ。」
麻奈:「判りました。」
麻奈は秀吉のズボンの上から急所を掴む、稽古なので普通はそこまでだが、麻奈は甲賀忍者であり、頭目の山田風太郎に手解きを受けた技がある。甲賀くノ一の秘技が秀吉の股間を容赦なく襲う。そして秀吉は他流の技の修得にも余念が無い。
(ヌプ・・・・・グチュグチュ・・ゴク・)
甲賀忍法 仏壇返しであるが、茶々との夜の営みに備えて抜かれる訳にはいかない。秀吉は仕方なく麻奈の奥襟を捉えて送り襟締めを返す。
麻奈:「あっ、良うございます。・・・・」
落とされ癖がつくと面倒なので技が解けたら、相手を可奈と交代する。可奈とは普通の柔道の指導である。
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1592年10月18日
転移世界の皇居・御仮寓所
日本国摂政・佳志子様:「それで、防衛ラインはどうなっていますか。」
徳川19代宗家・家仁:「関八州を絶対防衛圏として居ります。」
関八州とは武蔵(東京都・埼玉・神奈川)、相模(埼玉)、上野(群馬)、下野(栃木)、上総(千葉)、下総(千葉・茨城)、安房(千葉)、常陸(茨城)にあたる。
佳志子様:「関八州は、日本の存続になくてはなりません。それから秩父鉱山はどうですか。」
徳川家仁:「秩父鉱山の産出量は知れております。直ぐに枯渇すると思われます。」
佳志子様:「関八州は日本国民、1億2700万の命綱です。また鶏肉だけの生活に戻る訳にはいきません。和牛は日本の宝です。乳牛や交雑牛は美味しくないです。ところで今日の昼ご飯は何ですか。寿司や焼き肉は食べ飽きました。中華とかが食べたいです。」
徳川家仁:「酢豚定食・杏仁豆腐付で如何でしょう。」
佳志子様:「ふん、では、それに致せ。ただし杏仁豆腐はにクコの実はいらん。それと胡麻団子も所望じゃ。」
徳川家広:「シカトお受け致しました。恐悦至極に存じます。」
佳志子様:「苦しゅうない。欣喜雀躍じゃ。」
佳志子様の傍らには四字熟語の本が置いてある。よほど退屈らしい。
佳志子様:「そういえば、NHKの枠田麻由子会長に連絡が取れますか?。梅毒の遺伝子ゲノム解析が済んでいるはずです。」
普通の喋り方に戻っている。
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(後述・おことわり)
この小説は、ある異世界転移物の矛盾点の考察から始まった。すなわち日本国が転移した場合の食糧問題である。
(鍬と稲)によって食糧が供給されるのだが、(鍬と稲)では鼠が大発生する事になり、西村寿行の滅びの笛になる。さらに日本国の輸出入を調べると松本零士の(無の黒船)にブチ当たる。
中でも困ったのが、窒素・リン酸・カリの不足は農業・畜産業・酪農に致命的な影響を及ぼし、食糧自給率を40%から10%に引下げてしまう。
これでは日本国の転移小説は、その出だしから藤子F不二雄の(カンビュセウスの籤)になってしまう。
次に困ったのは筆者は税金が嫌いである。さらに確定申告の時期である。所得税(国税)と市町村税(地方税)の重複は何だ?これは重税じゃないか、そこで転移した織田信長に税制改革をしてもらう事にした。
まぁ、そんなこんなで日本社会への不平不満を解消すべく、現代日本人のキャラクターに作中で助けを求めたが、ストレス解消の自己満足的実験小説を読まれた方から注意を受けた。有り難い事に感想を書いて下さる奇特な方がいらしたのだ。
という訳で作中の人物の名前を変えたり、絶対にヤバそうな箇所を訂正する。異世界とはいえルールがあるようだ。今後とも御指導・御鞭撻をお願いする。