80 1592年10月17日 佳子様 信長 ジョージ
困った事になった。面白い戦争の話だけ先に書いたので、時系列を穴埋めしていると退屈な話になった。先に関ヶ原や大坂の陣をやると後が困る。佳子様は不味いから茶々にその手の話はお願いしよう。
1592年10月17日
転移世界の御仮寓所
摂政・佳志子様が戦国日本に来て5日目になる。彼女は退屈な日々を過ごしていた。何故かと言うと、行く所がない。辺りは一面の田畑で、米や大豆、とうもろこしの収穫も終わり、小麦、大麦、秋植えのジャガイモなどの植え付け時期である。
佳志子様:「徳川家仁さん、退屈です。どこか行く所ありませんか?名古屋、京都、あたりは?」
徳川家仁:「東海道なら箱根の関を越えて大井川を渡るか、中山道を行くかですが。名古屋までの海路はありません。」
佳志子様:「現代日本から名古屋の津島、品川、唐津が有るのに品川から津島が無いのですか?」
徳川家仁:「その通りです。徳川家康の関八州と織田信長の戦国日本は検疫により、交通制限がなされています。」
佳志子様:「検疫というと、疫病対策ですか。」
徳川家仁:「その通りです。梅毒治療用のペニシリンは生産量が限られています。」
佳志子様:「それでは徳川家康様と伴に九州に行かれし方々はどうします。」
徳川家仁:「織田領内にて所領を頂く事になります。関八州へのお帰りは遠慮して頂きます。」
佳志子様:「そうですか。仕方ないですね。」
徳川家仁:「関ヶ原戦の前に
鳥居元忠、松平家忠、などの武将1800人は伏見城にて全員討ち死にとなっていますから、史実通りなら 差し支えないでしょう。」
佳志子様:「そうですね。戦国時代ですから仕方ないですね。死ぬ人にはキチンと死んで頂かないと、歴史が変わると困りますからね。」
日本国摂政・佳志子様は美しい笑顔で微笑えまれた。
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1592年10月17日 安土城
森忠政:「上様、旅順要塞の在日米軍副司令官:ジョージ・ラウル4世から衛星通信が入っています。」
森忠政は森蘭丸の弟で22歳になる。
ジョージ・ラウル4世:「How have you been for a long time?」
織田信長:「面倒くさい、翻訳機を入れろ。」
ジョージ・ラウル4世:「なぁ、信長、万暦帝が旅順要塞に居座ってしまったぞ。うるさくてかなわん。」
遼東半島の在日米軍の旅順基地は、何故か開設当初から旅順要塞と言われている。
織田信長:「やあ、ジョージ、適当に機嫌をとっておけばOK。して石見銀の今度の送金は何時だ。」
ジョージ・ラウル4世:「それなら来月、早々にイージス艦で運ばせる。ただし運賃と万暦帝の滞在費は減額するけど仕方ないな。」
森忠政:「上様、在日米軍から支払い明細が届いています。運搬費2割、万暦帝の滞在費が2割、送金額が6割となっています。」
織田信長:「なんと!支払い明細書は有るか。」
森忠政:「はい、この1枚にて支払い明細と書いてあります。在日米軍最高司令官:リッキー・ラップ中将
のサインもあります。PDFですが印刷しますか。」
織田信長:「さにあらず。捨て置け。」
森忠政:「では、経理担当の兄の森蘭丸に送信します。」
織田信長:「待て、PDFと申したな。訂正は出来るか。」
森忠政:「Acrobat Readerですので基本的には出来ませんが、サブスクのAcrobat Professionalなら可能です。」
織田信長:「ふむ、余分な出費なれど致し方ない。この2割を25%に書き換えてちょーだぃ。」
森忠政:「いや、それではバレますので端数をつけて22%と28%が良いかと。」
織田信長:「いや、それもおかしい。そうじゃ、75%✕75%なら如何じゃ。」
森忠政:「いゃ、それでは56%になり、我々の取分が少なくなります。」
織田信長:「1割は欲しいが何とかならんか?」
森忠政:「私に良い考えが御座います。ルートを使えば5割になります。」
織田信長:「うむ、流石は蘭丸の弟じゃ、それに致せ。」
森忠政:「判り申した。ルート0.5=0.70710678・・・・・と。それを1から引いて、0.292893・・・・・」
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後日、万暦帝からの送付状が蘭丸に届いた。
森蘭丸:「なんだ?この万暦帝の滞在費と銀の送料は?それぞれ銀878.6貫と621.4貫、えらく細かいな。まぁ、忠政からだからポチッと承認。」
銀3000貫が1500貫になった。まるで日本ユ◯セフ協会みたいだ。いや、そこまで酷くない。
(後書き)
徳川家康が計算高い狸爺いだと後世に伝わっているが伏見城守備隊・全滅事件も計算ずくだったんだろうか?
それと戦争相手国の万暦帝から日本に銀が送金されているのもどうかと思われる。もしかしなくても売国奴と呼ばれても仕方ない。