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影武者 豊臣秀吉 17 信長vs治五郎

衛星回線による信長と影武者の嘉藤治五郎の会話です。文禄の役開戦から半年経ってます。

文禄が天正20年12月8日(グレゴリオ暦1593年1月10日)改元なのでと混乱していたのをお許しください。

基本的に天正20年(1592年)の翌年が文禄2年(1593年)と考えた方がいいです。

1592年(天正20年)10月1日


肥前・名護屋城6階の執務室にて、森蘭丸と茶々の間に密約が交わされた。

密約によって、唐津に支店を出していた日本最大のゼネコン鹿島建設に豊臣秀吉をクライアントとする名護屋城改造工事が特命発注された。


工事内容は名護屋城1階のリフレッシュ工事

2階から6階までの急な階段のノンスリップと階段手摺設置工事。

7階の情報漏洩防止用の視線遮蔽フィルム貼り。

安土城との衛星回線によるWeb会議システムの高速化である。

茶々がダメ元で要望したエレベーターは防火区画の法規違反であっさり却下された。


鹿島建設の下請けの、今田産業の下請受けの、山田工務店の工事担当・五郎丸は、元祖秀吉が住んでいた1階の内装全撤去を即座に命じて焼却処分にした。この時代は焼却が許されるのだ。


五郎丸:「いゃ、鼻をつく悪臭ですな。」


大工さんA:「さっさと骨組みだけにしましょう。」


五郎丸:「わかりました。消毒作業班も待機しています。あっ、それと光ケーブルの配管も忘れずに入れといて、6階まで入るかなぁ?」


電気工事士A:「難しいです。モールじゃダメですか?」


五郎丸:「モールだとバレるからダメ、ケーブル隠蔽して直接施工して下さい。」

― ― ― ―


1592年(天正20年)10月5日

高速化されたWeb会議システムが安土城天守閣7階と繋がる。安土城は7階にWebシステムがある。


森蘭丸:「信長殿、お久しぶりで御座います。」


織田信長:「何を言っておる、6日前にも衛星回線で(おう)たではないか。」


森蘭丸:「前回までは通信容量が少なくてくたびれました。今回はスムーズですね。画像も格段に綺麗で御座います。」


織田信長:「して今日の用向きは、嘉藤治五郎との面談であったな。」


森蘭丸:「上様、そろそろ呼び名を変えた方が良いと心得ます。」


織田信長:「判った。これより秀吉と呼ぼう。」


※ 本小説でも、ことわり無き場合は秀吉は嘉藤治五郎とする。


茶々:「叔父上、先日は、()が祝言に多分なる物品を頂きて、誠に有難うございます。もっとも(わらわ)は金が良う御座いました。先日も北政所とお市様が来られて大変でした。」


織田信長:「それは難儀であった。・・・。」


森蘭丸:「衛星NETの高速回線にての課金が恐ろしいので本題に入りたいと思います。」


森蘭丸は信長に助け船を出したのでは無い。実際に回線使用料はSOFTBANKによって運営され恐ろしく高い。しかも今回の工事で従量制の金額がいくらになるか判らない。


豊臣秀吉(嘉藤治五郎):「されば、此度(こたび)の朝鮮の戦にての借入金の金利に御座いますが。」


織田信長:「なんだ、いきなり本題か、儂以上に無駄が無いのう。して、お主、秀吉になってから日も浅かろう。茶々でなくて良いのか。」


茶々:「(わらわ)は、秀吉殿の妻にて御座います。秀吉殿の意に従いとう御座いますが・・ただし、銭の事は別にてお願いします。」


※ 正室でも側室でも内縁でも(妻)は(妻)である。なかなか便利である。


豊臣秀吉:「いかにも軍資金が足りませぬ。武将に負担させるには度を越えております。」


茶々:「あっ、先ほどの金銭は私用の事に御座います。」


織田信長:「判っておる。茶々には東夷国の郵貯口座に1億円振り込んでおく。」


豊臣秀吉は茶々の話を一切無視して話を進める


豊臣秀吉:「我が甥の関白秀次に融資を依頼しておりますが、信長様はお知り置きでしょうか。」


転移世界の豊臣秀次は1591年(天正19年)12月28日、世襲によらず関白に就任している。征夷大将軍・信長以上の莫大な金銭が朝廷を動かしたと推察できる。


織田信長:「うむ、元寇以来の本邦存続の危機にて、是非とも唐入りし万暦帝に群がる愚臣を滅ぼし、親政を取り戻さねばならない。」


豊臣秀吉:「第1次大東亜共栄圏は何としても成功させねばなりません。さすれば20世紀の第2次大東亜共栄圏も(おの)ずと(さだ)まりましょう。」


織田信長:「それは先の話にて、(いま)だ定まらぬ事、我らが見届ける事も叶わぬ。」


豊臣秀吉:「して、東夷国の軍事援助は如何ほどでしょうや。我にはカノ国の内情がサッパリ判りません。」


織田信長:「東夷国(現代日本)から来たれし、そなたにも判らぬか。」


豊臣秀吉:「(なに)ぶん、議会制民主主義にて、フィクサーも今はいません。」


織田信長:「フィクサー?天皇裕仁の如き帝王は、カノ国には居らぬのか。今の天皇徳仁(なるひと)は如何じゃ?

良き人物に思えるが、議会を通さず意思決定は出来ぬのか。」


豊臣秀吉:「天皇徳仁、浩宮さんに御座るか・・・良き人物に相違御座りません・・・。」

-----


茶々がいきなりネット会議に口を挟んできた。

茶々:「治五郎・・いや、、秀吉!!、ソチは何者じゃ!(わらわ)にてもサッパリわからん。」


茶々は織田信長同等の天賦の才が有り、東夷国(現代日本)より学びし事は医療、軍事、歴史、化学など極めて多岐に及ぶ。無論、戦国時代においては並ぶ者はない。


豊臣秀吉:「いやいや、戯言に御座います。我は一介の天下人に過ぎませぬ。」


※ 豊臣秀吉は移転世界では筑前守・大宰府守であり天下人では無い。弟の豊臣秀次が関白なので奇妙ではあるが、ここでは触れない事にする。


織田信長:「ところで、先日、我を一回転させた技じゃが、いかなる魔術じゃ?」


豊臣秀吉:「柔術にございます。我は自衛隊の格闘技技術顧問にて、いささか(たしな)んでおります。」


織田信長:「・・なんと!!、自衛隊の顧問!!、なんでそんな奴が秀吉の影武者になるんだ!!」


滅多に動揺しない信長が驚きの声を上げたのは、みんなで大家さん破綻、後日の豊臣商事事件など数える程しかない。


(後述)

20世紀の大東亜共栄圏は石油を巡る西欧諸国との争いと言える。対して16世紀~17世紀の大東亜共栄圏は【火薬=硝石】を巡る争いである。

ただし、直接、東南アジアの拠点を攻めた20世紀と違い、16~17世紀の戦略は、イスパニアからの硝石を莫大な金銀で購入し大陸進出をして、中国の火薬や鉄鉱石を抑えるという2段構えの戦略と推察する。

秀吉の耄碌(もうろく)による誇大妄想と現代では解釈されているが事実は違うかもしれない。

たとえば、推理小説で犯人が耄碌(もうろく)していたとか、馬鹿だったとかだと、非難の電話が殺到する事は、筆者は十分に経験済みである。

















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