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影武者 豊臣秀吉 16 茶々・未来の記憶

藤子(F)不二雄さんの漫画に(未来の思い出)が有りました。映画化もされました。

いま、内容は思い出せませんが面白かったです。

挿絵(By みてみん)

大坂城炎上


1592年(天正20年)10月1日

いきなり突拍子も無いタイトルとなった。

サブタイトルが、【茶々・未来の記憶】だから、まるでSF小説だ。(え゛、違うんかい!)

SF小説やSF漫画の(未来の記憶)(未来の思い出)はタイムリーパーや逆行転生者などの、特有のモノだと思われるかも知れない。

ただし精神科医の立場から言わせて頂ければ、決して奇異なモノでは無い。(過去の記憶)、(現在の記憶)が有るのだから(未来の記憶)が有っても不思議ではない。

ただし、問題はその総量と比率である。

適正な比率は平均的な40代の人で(過去4)(現在5)(未来1)と言われる。

― ― ― ―


名護屋城に帰って来た茶々は幸福な時間を過ごしていた、


森蘭丸:「茶々様、お幸せそうですね。」


茶々:「ええ、凄く幸せよ。蘭丸もさっさと結婚すれば良いのに。もしかして女性に興味ないのかしら?」


森蘭丸:「私は女性にも多いに興味が有ります。特に茶々様のような絶世の美女に興味がない理由(わけ)はござりません。」


茶々:「さっ、左様かぁーー。(笑)」


23歳の絶世の美女と27歳の超絶美男子が、執務室で2人きりで会話している。名護屋城の5層7階の6階と7階が、茶々の執務スペースになっている。5階の上に少し大きめな2階建ての住宅が有ると思えばいい。

前近代的な5階までとは完全に分離されているが、困った問題が起きている。家庭用のエレベーターが城の2階までしか来ていないからだ。5階までは急な階段しかない。妊婦に運動は必要だが落下しては困る。


茶々:「のう、エレベーターの件じゃが・・どうにかならぬか。」


森蘭丸:「どうにもなりません。それに今は朝鮮との(いくさ)にて無駄銭は使えません。」


茶々:「無駄銭と申すか?(わらわ)が階段から転げ落ちてもよい申すか?」


森蘭丸:「その心配は御座いません。」


茶々:「なぜじゃ?」


森蘭丸:「来年、秀頼様が無事に誕生なさるからです。」


茶々:「・・・・なるほど・・・・」


森蘭丸:「それと城の職員の福利厚生も御座います。」


茶々:「福利厚生?何の事じゃ?」


森蘭丸:「これにて御座います。」


森蘭丸はパソコンのディスプレイの、フォルダを開いた。さらに、(1592_06_27 CHA 階段) のサブフォルダをクリックした。次に一覧形式を詳細から特大アイコンにした。


森蘭丸:「ここに、福利厚生の動かぬ証拠が御座います。」


スライドショーをクリックすると茶々が階段を上り下りする画像が次々に表示された。表示間隔は3秒である。


森蘭丸:「如何で御座いますか?茶々様には階段は必要かと存じます。それとノーパンばかりでは芸が御座らん。スカートの丈も短ければ良いと言うモノでも有りませぬ。これなる下着を着用されたパターンも良きかと思われます。」


森蘭丸はデスクの引出しからAMAZONで買った商品を出した。(転移しても日本AMAZONは存続)


森蘭丸:「AMAZONですと唐津のコンビニ止になります。万一、御城に配達されると困りますゆえ重宝致しております。」


森蘭丸:「勿論、封はしたままで御座います。あくまでも茶々様に進呈したく買い揃えました。」


森蘭丸:「これなるは、私も予備にて試着致しましたが、紐状にて、ガッツリ、ハミ出してしまいました。されど茶々様ならハイジーナにしておられて、お似合いと存じます。」


森蘭丸:「如何で御座いますか?これでも(わたくし)めが女性に興味が無いと仰せですか?」


茶々:「・・・して、この写真は誰が撮った?」


森蘭丸:「はっ!、私めがカノ国より仕入れし監視カメラのオートセンサーにて撮り貯めたものに御座います。」


茶々:「・・・して、福利厚生とは()が為じゃ。」


森蘭丸:「勿論、私、1人の為に御座います。」


茶々:「・・さようか・・やはり蘭丸はソッチ方面だったか。」


森蘭丸:「はあ?ソッチ方面とは如何なる方面で御座いますか?」


茶々:「もう良い。しばし休憩と致すゆえ、1階に行って紅茶とシフォンケーキを持ってまいれ。嘉藤、いや秀吉に悟られるでないぞ。」


森蘭丸:「私めがで御座いますか?そのような事は給仕の真奈・香菜(まな かな)にやらせるが良いかと?」


茶々:「そちが行ってまいれ。あの者らに見せると、妾の口に入らぬ。」


森蘭丸:「判り申した。(それがし)が行ってまいります。」


茶々:「ゆるりと参られよ。」

― ― ― ― ―


茶々:「この紅茶は美味いのう。」


森蘭丸:「はは、茶々様が東夷国より買って帰られし、紅茶で御座います。階段を登りし時に(いささか)(こぼ)してしまいました。申し訳御座らん。」

※紅茶のブランドは 日東 Day&Day ティーバッグ 100P である。リプトンやブリティッシュ・フーズなどの輸入紅茶は勿論ない。筆者は日東紅茶が好きである。刺激が少なく番茶にもなる。永谷園のお茶漬け海苔とも相性がよい。(余談である。)

― ― ― ―


(ようやく本題である。)

茶々:「のう、蘭丸、ソチは徳川家康なる人物を知っておるか?」


森蘭丸:「勿論、知っております。関東を治めし者にて、奥州の伊達政宗殿や会津の上杉景勝殿をも配下に治めし、大々名に御座います。信長公、秀吉公、と並び称される三英傑に御座います。」


茶々:「お主、そのような事をサラリと言うが、無論、天下人になる事も存じておるな。さらには(わらわ)と未だ生を受けぬ秀頼に対して、何をなしたか?」


森蘭丸:「承知しております。されど、我も信長様、信忠様、信孝様、市様も無事に御座います。後の世が如何なる(さだ)めかは判りますまい。」


茶々:「そうよのう、定めは無く、(くつがえ)るやもしれぬ。だがのう、ハッキリと妾は覚えておるのじゃ。」


森蘭丸:「覚える?、何をで御座いますか?」


茶々:「我が大阪城にて紅蓮の炎に焼かれ、秀頼と刺し違し事じゃ。」


森蘭丸:「なんと!それは如何なる事!」


茶々:「我は徳川家康が憎い!あのような姑息な手を使い、始めから豊臣一族を根絶やしにする気で()ったのに、偽りの戦無き世などと、我らを(たばか)りおって、何が仕方なく成敗じゃ。絶対に許さぬぞ。あの狸爺めが。」


心理学では(未来の記憶)は(未来の思い)と言われる。すなわち、良き未来を思い描くと、その実現に努力するゆえ、前向きな人生を歩める。逆に悲観的な未来を描くと心が塞がり努力を辞めて逃避してしまう。


果たして茶々の記憶がいかなるモノかは、現時点では判然(はんぜん)としない。また、徳川家康は現時点では権謀術数とは無縁とさえ思え、思慮深い比較的穏やか人間であり、北政所の信頼を得ている。


森蘭丸:「茶々様、何に致しましても未だ定まらぬ事ゆえ、下手に動くは下策と存じます。」


茶々:「判っておる。タラレバの話じゃ。聞き流されよ。」


森蘭丸:「左様が宜しいかと。」


茶々:「あい、判ったわ。ところで、先程の話であるが。」


森蘭丸:「何の話に御座いますか?」


茶々:「シラを切るでない。このような紐を我に着せようとは言語道断・横断歩道じゃ。」


森蘭丸:「はて?横断歩道?、あれ、下着の封を開けられたのですか?」


茶々:「検分致したのじゃ。カノ国のモノゆえ、ご禁制やも知れぬ。」


森蘭丸:「ははぁ!直ぐに処分致します。申し訳御座らん。」


茶々:「それには及ばぬ。処分は不要じゃ。」


森蘭丸:「はぁ?処分は不要とは?」


茶々:「ええぃ、面倒臭いのぉ。(わらわ)が着てつかわす。それで良いのじゃろう。ただし1月(ひとつき)限りじゃ。妾も子を宿すゆえ短き間じゃが、ソチの好きにするが良い。」


森蘭丸:「判り申した。それで写真も大丈夫ですか?」


茶々:「無論じゃ、紀伸(のりのぶ)に負けるで無いぞ。」


森蘭丸:「お任せ下さい。(戦国の美妃(びき))以上の衝撃的な写真集といたしましょう。」


茶々:「・・・・公開は相成らん。ソチの趣味程度に致せ。」


森蘭丸:「しかと心得ました。」


10月31日まで、森蘭丸による茶々の下着撮影が戦時下の名護屋城7階の展望室で行われた。そのため窓には情報漏洩防止用の視線遮蔽フィルムが貼られた。茶々の結婚から僅か25日後の話である。





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