影武者 豊臣秀吉 14 女太閤記
この話から北政所が頻繁に登場します。大河ドラマの「女太閤記」では佐久間良子さんが好演しました。
1592年9月3日
北政所とお市から連絡が入った。肥前名護屋城の東750m先の旅館大望閣に泊まりに来るから予約してくれとのネット通信を介して連絡があった。
宿泊予定は9月2日から9月5日となっている。
茶々:「のう、蘭丸、この連絡はいつ来た?」
森蘭丸:「先程きました。発信先は安土城天守閣です。」
転移した戦国時代は、衛星回線の通信網しかないから発着信場所が限られている。ただ、北政所とお市はこのパターンが多い。多分、思いつきで瀬戸内海クルーザーに乗ったんだろう。
茶々:「して、蘭丸、そなたいつまでおる?」
森蘭丸:「朝鮮での戦役が終わりますまでに御座います。」
1592年の年齢(満年齢にて誕生日が来たものともする)
信長 58歳
秀吉 55歳
北政所 46歳
お市様 45歳
茶々 23歳
村上景子 27歳
森蘭丸 27歳
秀次 24歳
小早川隆景 59歳
毛利輝元 39歳
石田三成 32歳
小西行長 37歳
加藤清正 30歳
北政所と、お市が、肥前名護屋の旅館・大望閣のロビーにいる。時刻は朝9時である。この頃になると西暦に12時間(24時間)表記が移転世界でも当たり前に使われている。名護屋城や唐津では腕時計をしている人が多いが手巻き風のクォーツである。
旅館・大望閣は大江戸温泉物語グループのチェーン店だがネーミングについては追求しない。
北政所とお市であるが、日本国転移後、奇妙な現象が進行している。年々、明らかに若くなっている。
これも、1年半先の半島由来人の琥珀目化と類似の遺伝子組換え現象かと思われたが、資生堂直営のエステサロンに通い詰めによる物と判明した。
北政所:「茶々さん、遅かったじない。もう朝食食べたわよ。貴女達は済ませたの?」
お市:「茶々、久しゅうのう。息災であったか。」
どうも喋り方がチグハグだが追求しない。
茶々:「母上、またお若くなられましたな。茶々も嬉しゅう御座います。」
お市:「さにあるか?エステでは美魔女と呼ばれておる。」
※ 女性の美容の話は限りなく続くゆえ割愛する。ちなみに筆者の友人の話は年金と保険と病気の話ばかりであるが、これも割愛せざるをえない。
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北政所:「して茶々、あの者は如何じゃ、嘉藤治五郎と申すものじゃ。」
茶々:「北政所様、声が大きすぎまする。」
茶々は辺りを見回して近くに人がいないか確かめた。流石に豊臣を秀吉と2人で1代にて育て上げた北政所である。
茶々は要らぬ心配をしたと悟った。
北政所:「うん、そうか?あの者が秀吉では不満なるか?妾はカノ者で全然よいぞ。」
茶々は要らぬ心配で無いと悟った。
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大望閣デラックスルーム【和洋室8畳+和室12畳+リビング】
全く女2人で無茶苦茶な部屋に泊まるもんだ。現代日本なら1人一泊6万だが、物価が違うから30万円(6貫)である。しかも4泊だから240万円(48貫)になる。
北政所:「だって、それしか空いてなかったから仕方ないでしょ。」
茶々:「まぁ、宜しいんじゃないですか?」
北政所:「そう、じゃ、お願いします。ありがとう。」
茶々:「え゛・・・・・・。」
北政所:「して、あの者じゃが、如何じゃ。」
場所を変えての、先程の続きである。
茶々:「さあ、何の話ですか?」
北政所:「とぼけるでない。側室の子種を選ぶは正室の務めじゃ、あの者が豊臣家に相応しい子種か検分に参ったのが判らぬか!」
現代日本では考えられない話だが、戦国時代ではそうゆう物かもしれない。
お市:「全く問題ないそうです。と、ここなる嫁が言っております。」
お市がいつの間にか、村上景子を伴ってデラックスルームの応接コーナーにいる。
茶々:「村上殿。いゃ、景ちゃん何時からそこに?」
村上景子:「昨日から滞在しておりました。」
茶々:「なんと、それでは3人にて4日間か!360万円(72貫)になると申すか。」
北政所:「いゃ、480万円(96貫)じゃ。ソチの料金も入っておる。たまには親子仲良く羽根を伸ばすが良い。三成殿には妾から請求書を回すゆえ心配いたすな。」
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村上景子は、既に織田信孝と2人の子をなしていた。7歳の女子と5歳の男子である。森蘭丸も影武者の嘉藤治五郎は不覚にも子持ちの女性とは気付かなかった。
よって村上景子は市の義理の姪になる。
村上景子:「嘉藤様は自衛隊の格闘技技術顧問にて、自衛隊、及び村上水軍の最強の男でさえ、嘉藤殿には赤子の如きに御座います。」
北政所:「これは魂消た、して閨中のむつ事は如何なるものか?」
村上景子:「閨中?寝技に御座いますか?」
北政所:「んっ、いかにも寝技じゃ、泣き言をいうようじゃが、我も秀吉には最初は・・・・いゃ、申せ。」
村上景子:「寝技につきまして、袈裟固め、上四方固め、と御座いますが、関節技や危険な絞め技は競技では反則ですが、実戦では当然の事とて、私も嘉藤殿には裸絞めにて何度も気を失っております。」
北政所:「なんと裸絞め、気を失う程とは。」
お市は北政所同様の勘違いをして、近くのソファにヘタリこんだ。