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影武者 豊臣秀吉 11 嘉藤治五郎

加納治五郎は明治期の偉人、東大卒で柔道の創始者であり役職は数知れず、1940年の幻の東京オリンピック招致に尽力した。漫画『YAWARA! 』(ヤワラ)の猪熊治五郎のモデルでもある。

(本題と関係ない独り言1)

藤子・F・不二雄の漫画に「カンビュセスの(くじ)」という作品がある。一度読んだら忘れられない作品である。

この作品の内容は一先(ひとま)ず置いておいて、話の元となった「カンビュセスの籤」について記載する

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サルクは籤に当たったが、紀元前500年代、サルクはペルシア王カンビュセスの兵士としてエチオピア遠征に加わったが、やがて飢餓が襲い、やむなく10人1組でくじに当たった者1人を残りの9人が食うことにした。サルクは籤に当たったが、運命を逃れ脱走したのだった。

(Wikipediaより原文抜粋)

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カニバリズム(食人行為)についての話である。極限状況に追い込まれた人間が、餓死か食人行為の選択を()いられる場合に、どのような精神的な後遺症を残すかは定かでない。


(本題と関係ない独り言2)

朝鮮人に対して、台湾は戦前の日本統治について(おおむ)ね好意的である。

日清戦争で割譲された台湾統治時代(1895年~1945年)においての日本の政策であるが、清朝時代に僅かに敷設されていた鉄道を台湾全域の鉄道網とし、阿片を追放、教育・民生・軍事・経済の基盤整備が行われた。これは欧米の科学的植民地主義に対して、内地延長主義によるものである。すなわち欧米の搾取一辺倒から、自国の領土として開発する原敬などの考え方である。ただし、現在問題になっている同化政策とも言える。


(本題と関係ない独り言3)

朝鮮人の反日感情は非常に根深い。また朝鮮は欧米の植民地の対象にならなかった稀有な地域である。何故そうなったかは諸説あるが、英国の作家・イザベラ・バード・ビショップの「朝鮮紀行」がコミック化もされているので読んで頂きたい。バードが会ったのは特権階級の両班ばかりだったと推測される。それも不思議ではない。なぜなら李朝末において支配階級は人口の半分に達していたからである。

16世紀の朝鮮侵攻以来300年、19世紀の大日本帝国進出までの期間、朝鮮半島で何が起こっていたのか?

半分の支配層両班の韓流ドラマに隠された、もう半分の朝鮮民族の歴史はどうなっていたのだろう。

反日感情の根源を知るには秀吉の朝鮮出兵から、大日本帝国の支配までの歴史を知る必要があるだろう。

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(少し整理します)

1591年3月〇日 茶々 「戦国の美妃(びき)紀伸(のりのぶ)撮影 4月1日先行発売

1591年9月22日 鶴松死去

1592年年4月12日 文禄の役(年号は天正)

1592年7月〇日 オランカイ会戦

1592年7月22日 大政所死去 (新暦に直しました)

1592年8月15日 加藤治五郎が秀吉と不二家で会う

1592年8月30日 村上水軍 村上景子名護屋に来る。(新旧秀吉が居る)

1593年12月17日 露梁海戦

1593年8月3日 豊臣秀頼誕生

1595年8月20日 豊臣秀次死去

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秀頼誕生だが、筆者は受胎(セックス)日から出産までの日数が判らない。最終月経から何日という当たり障りのない表現が一般的であるが、受胎から出産までを270日と仮定すると、1592年11月7日がXデーとなる。加藤治五郎が名護屋に着いたのは1592年8月末日なので辛うじて話を前に進める。


※ Xデーが不明確なのでトラブルの原因になる。ちなみに筆者はそうした経験は数える程しかない。

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(ようやく本題です(汗))


時は文禄の役の露梁海戦から少し遡る

1592年:天正20年8月末日 肥前:名護屋城である。(第51話参照)


村上水軍頭目 村上景子(きょうこ)が2階の政務所(まんどころ)で秀吉に謁見していた。この時の相手は嘉藤治五郎であり。本物の秀吉は大政所死去による一連の行事と長旅の疲れで1階の寝所に(ふせ)せっていた。


村上景子:「自衛隊の嘉藤殿では御座いませんか!!」


影武者:豊臣秀吉=嘉藤治五郎(かとうじごろう)であるが、話の都合上、以後、(しん)秀吉と記する。


新秀吉:「そなたは!!・・・・・いや、美しいのう。」


新任早々、正体を知られる訳にはいかない。新秀吉は咄嗟に話を村上景子の容貌に切り替えた。


村上景子:「嘉藤殿には御座いますまいか?」


森蘭丸:「嘉藤殿とは、如何なる方かは存じ上げまするが、この方は、筑前守・豊臣秀吉様にしかと相違ござらん。村上殿、お控えなされよ。」


同行した森蘭丸は、その場を取り繕うとするが、嘉藤治五郎は肥前名護屋城に来てから日も浅く、森蘭丸も素性を知らない。


森蘭丸:(もしや密偵かも知れん。カノ国(東夷国=現代日本)では整形手術があると聞く。我の様な超美形なる者に致すは至難なれど、秀吉殿の様な醜悪な面相にするのは訳ないと聞く。ここは暫く村上殿を泳がして様子をみるか。)


村上景子:「失礼致しました。我が知りし者と瓜二つにて・・・・お許し下さいませ。」


新秀吉:「気にする事は無い。して、村上殿は、どの様な要件で参られた。」


村上景子:「はい、少しばかり物見遊山にて唐津の町に来ました。鉄道なる物に乗りとうて参りました。」


森蘭丸:「ははぁ、鉄道は名護屋から唐津は今年の4月に開通しました。博多まで延ばしたいのですが、何分、鉄が高くて、まぁ、いくら金を積んでも無いものは買えませんゆえ、詮無(せんな)きことです。」


新秀吉:「村上殿は茶々に(おう)たか?」


嘉藤治五郎は自分の正体を知られたく無い故に話を違う方向に持って行こうとする。

ただし、鞆幕府で既に面識が有り、柔道の指導で立技どころか寝技まで丹念に教え込んだ村上景子を誤魔化せる筈もない。懸念するのは森蘭丸である。

ここはド助平・豊臣秀吉となって切り抜けるしか無い。


新秀吉:「茶々は美しき女子(おなご)であろう。」


村上景子:「そうで御座います。秀吉殿の側室にふさわしい方にて頭が良く、話していて楽しゅう存じます。」


嘉藤治五郎は、如何にしてド助平・秀吉になろうか思案している。サッサッと席払いをすれば良いが、妙な使命感に捕われている。(戦国の美妃(びき))の話に持って行こうとしたが、村上景子が乗ってこないので話を再度変える。それに(戦国の美妃)は名護屋城下ではタブーになっているのかも知れない。


新秀吉:「して、村上景子殿は誠に男子(おのこ)ではなく女子(おなご)であらせられるか?」


森蘭丸:「殿、村上殿に対して失礼に御座います。」


嘉藤治五郎の素性に探りを入れようとしたのが妙な方向に向かっている。


村上景子:「何故にてその様な事を申される。」


新秀吉:「女子の頭目とは珍しい故じゃ。それとマイニラでは美しき女子(おなご)やと思えば宦官(かんがん)とゆうて、男子(おのこ)女子(おなご)に化けておるらしい。かの者らは女子(おなご)以上に美しい故、よもやと思うてな。村上殿は眩いばかりにお美しいゆえ尋ねただけじゃ。戯言(ざれごと)として聞き流されよ。」


村上景子:「宦官?、戯言?、聞き流せと申しますか?」


森蘭丸:「それくらいにしなされ、秀吉殿も口が過ぎようというもの。」


村上景子:「判り申した、蘭丸殿。ついムキになり申した。すまなんだ。」


森蘭丸:「秀吉殿の御無礼、(ひら)にお許しくだされ。身元改めも大事なるがゆえ、お役目なれば仕方なくでございまする。」


しまったと思った。(身元改め)は新秀吉に対してであり、村上景子にではない。しかし取り繕う訳にはいかない。嘉藤治五郎が影武者だと言うのと変わらない。


村上景子:「なんと!お役目とな!・・判り申した。しかと検分なされ!」


村上景子は、そそくさと衣服を脱ぐ。水軍の頭目ではあるが女子(おなご)ゆえ巫女を兼ねる。高烏帽子(たかえぼし)千早(ちはや)(舞衣)、緋袴(ひばかま)を上から丁寧に脱いでは(かたわ)らにたたみ、薄襦袢(うすじゅばん)1枚になる。


森蘭丸:「待たれよ。村上殿、そこまでに致されよ。(それがし)が悪うござった。」


薄襦袢は透けた絹である。流石、村上水軍の頭目である。絹の下着は現代でも身につける事は贅沢とされている。当時は皇室か高級貴族くらいしか許されない。


村上景子:「しかと判った。されど疑いを持たれ退くは本意(ほんい)ならず。森蘭丸殿、しかと検分せよ。」


村上景子は透けた絹越しの裸体を政治所の侍や女官に晒しながら、蘭丸と新秀吉に向かって歩くが、真っ直ぐではない。座敷を遠回りして皆の者の前を通る。


村上景子:「しかと検分されよ。」


薄衣越しの乳房が薄いため乳首が突起している。また、股間の茂みは淡く薄衣越しには翳りと区別がつかない。


政務所の侍や女官にひと通り(検分)させた後、森蘭丸と新秀吉の前に立ち、絹の薄衣の前を拡げる。


森蘭丸:「しかと相違ございません。」


村上景子:「蘭丸殿、検分なされたか?女子(おなご)に相違有るまい。それでは良きかな?」


村上景子が絹の襦袢の前を閉じ、さきほど脱いだ巫女服の所に行こうとする。


新秀吉:「待たれよ。村上景子殿。」


新秀吉が低い声で呼び止める。村上景子はビクリとする。応えようとするが声がでない。


新秀吉:「カノ国では男子(おのこ)が作り物の性器で女子(おなご)に化けると聞く。検分致すゆえ、近こう参られよ。」


新秀吉の目からまるで催眠術師の様な強い光を感じた村上景子は、新秀吉の手振で操り人形の様に新秀吉の前に立ち薄衣の襦袢を床に落とす。


侍や女官20名の監視の中、全裸にて検分が行われた。細部まで念入りに検分は行われたが、新秀吉が村上景子の身体に触れる事は無かった。しかも何一つ口に出して指示する事すらない。


村上景子は、新秀吉の目線の命令に従って、自ら進んで様々な角度から余す事なく(検分)に我が身を晒した。そして決して作り物で無い女性器の扉を自らの指で拡げていた。


新秀吉が侍や女官にも女性器と菊門の(検分)を指示した。村上景子は(指示)に従って腰を浮かせて裂けんばかりに脚を拡げていた。村上景子の双眸(そうぼう)から泪が溢れていた。半開きの口から涎が流れ出しそうになるのを必死で怺えていた。村上景子の全身を奇妙で強烈な感覚が支配していたのである。


村上景子:「この男、秀吉はやはり魔物の(たぐい)か?こんな魔術が世にあろうとは?」


絹襦袢の上で村上景子は半分意識を失って、グッタリと()せった。ただし陰部は周りからの目線に晒される事を意識した格好であった。


※ 村上景子に関しては、31話鞆幕府 4 鞆の浦水軍 美しき頭目を御参照ください。














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