影武者 豊臣秀吉 7 千利休と茶々
これはイカン!、茶々のキャラクター設定がエロ過ぎて完全にハマった。幼少の悲惨な体験とその後の奇異な人生を精神分析すると、極めて特異な性格になる。何とか利休切腹までの道筋が見えてきた。豊臣秀吉の影武者は大政所が死んだ後になる予定であるが、あくまでも予定である。
現代日本 2035年(1591年)3月
東京:集栄社
編集長:「おぃ、近頃、漫画売れるか?」
かつて650万部を超えていた漫画週刊誌も近頃は売れない。かなり前から売れなくなったが、輸入パルプが途絶えて紙が無くなり電子化したら違法サイトに蹂躙されてしまった。
財務担当:「近々、廃刊となります。我が社も廃業となります。」
編集長:「何と、でっ、厚生年金はどうなる。」
財務担当:「・・・・知りませぬ。」
編集長:「なんか起死回生の手立ては無いか。」
財務担当:「写真家の紀伸が持ち込んだ。写真ですが?」
編集長:「なに、紀伸、昔のアイドルのヌードネガでも売りに来たか?」
財務担当:「いえ、それが異国にての写真でして。」
編集長:「んっ、でぇ、何だ早く言え。」
財務担当:「(戦国武将と淀君)とのタイトルです。」
編集長:「はぁ?淀君と申すと、あの秀吉の側室の淀君か?ありえんだろ〜〜。」
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肥前名護屋城 3月末
豊臣秀吉:「茶々、何用じゃ、手短に申せ。儂は来年の唐入りの準備で忙しいのじゃ。」
茶々:「殿に申したき事が御座います。ここに現代日本の金にて3億円の貯金通帳が御座います。」
豊臣秀吉:「なんと!、大金じゃのう。如何した銭じゃ?」
茶々:「茶々が用立てた円に御座います。銭では御座いません。」
豊臣秀吉:「うん、よく判らぬが、如何がした銭、いや円じゃ?」
茶々:「これにて御座います。」
茶々は桐の箱の周囲の封印を切り、綴紐を解いた。
近習が桐の箱を持って秀吉に歩み寄る。茶々は秀吉の5メートル以内には絶対に入らない。
豊臣秀吉:「なんじゃ、開けてみて良いか?美味い菓子か?」
茶々:「その箱の中身は茶々に御座います。」
豊臣秀吉:「なんだ?まさか、この箱の中に茶々が入っておるのか?、あっ、判った。実は銘茶八雲誉じゃろう。」
茶々:「私、茶々に御座います。(さっさと開けろボケジジイ(小声))」
ようやく、秀吉が箱を開けて中身を確認する。一冊の写真集がある。秀吉の指が写真集のページをめくる。ゆっくりと(ソレ)を1枚ずつ確認して又めくる。秀吉のギョロ目が更に大きく見開かれる。
豊臣秀吉:「この女子は茶々か?なんと見事な身体じゃ、しかも一糸纏わぬとは、いゃ、良き事じゃ。」
秀吉は初めて目にする茶々の全裸と、眼の前の茶々を見比べる。茶々と秀吉はそうゆう関係であった。
茶々:「殿にお願いが御座います。その金の他に、事運べば更に数億の金が入りますゆえ、唐入りを思い留まれないでしょうか?」
豊臣秀吉:「茶々すまぬが3億円の金では、この九州は立ち行かぬ。唐入りはソチと鶴松のためじゃ。」
茶々:「やはり叶いませぬか。」
豊臣秀吉:「致し方ない。今年の予定を来年に日延べしたが、既に諸将に陣触れを出し、あちらでの領地も約定しておる。」
茶々:「そうに御座いますか。また沢山の人が死にますのですね。茶々は悲しゅう御座います。」
豊臣秀吉:「仕方ない事じゃ、許せよ。」
茶々が項垂れて座を立った。秀吉は側室の茶々の身体を写真集でつぶさに見て興奮したが、股間のモノは微動だにしなかった。
秀吉の見た、(それ)は完全に無修整で、しかも無毛の股間の女性性器も残らず克明に写っていた。いわゆる出版前のゲラ刷りで無く海外向けの輸出版だった。
集栄社は国内用の修正版と逆輸出版の無修整版の双方で利益を確保する戦術に出たのだ。それ程、切羽詰まっていたのである。
茶々は無修整の輸出版を見て、かなり腰が引けた。余りにも女性性器も肛門も克明だったからである。小さな緋色の襞も可愛い突起もキュッと萎まった菊も、高解像で描画され、中には自らの指で女性性器を開いているカットも複数ある。
茶々:「こんな事したかな?覚えてないけど。」
茶々:「カノ国では女性は例外無く若い裸体を記念に残すと聞いていたが、そこまで残す必要が有るのかな?」
茶々:「それに、あの紀伸とやらの指示で侍共の前で裸体を晒したのは如何なる事や?」
思い出すと血が燃え立つような感覚を覚える。
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秀吉は写真集の、多くの武人の中に茶々が一人だけ全裸で立っている10数枚のカットが気にはなったが、面白く無かった。理由は簡単である。
豊臣秀吉:「これは要らぬわ。男は要らぬ。」
秀吉はその10数枚のページを飛ばそうとしたが、自分の家臣と千利休がいるのには仰天した。
豊臣秀吉:「なっ、何事じゃ、この写真は?」
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この集合写真は天才写真家:紀伸の特異な才能によるものであるが、かつて19世紀に物議をかもしたエドゥアール・マネの「草上の昼食」の奇異なエロチシズムに通じるものがあった。