影武者 豊臣秀吉 4 千利休と茶々
元AKB48の指原莉乃さんが焼肉屋から全裸にコートで帰ったという話は、一部の界隈で有名である。
利休と茶々の会食で、重大な秘密が暴露されるが、全裸にコートは蛇足である。
前回からの続き
唐津の料亭「花菱」
名護屋から唐津まで約12キロある。城下町としてはやや不便だが、防衛上、名護屋周辺は立ち入りが制限されている。人が歩くと2時間半、現代の車だと30分くらいだが、高速人力車なら1時間かからない。ブルネイ産出のガソリンは貴重品なので使えない。
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千利休:「何もかもが銭で御座いますな。」
利休はワイングラスで1杯一万円は下らない(最安値)のスパーリングワインを飲む。
茶々:「そうであるか。かの国では、富裕層と言う者がいてワイン如きに100貫(500万円)くらい支払うのが当たり前だそうだ。」
千利休:「それは凄い、是非、拙者も売りとう御座います。」
茶々:「して叔父上(千利休)は100貫のワインをいくらで仕入れる。」
千利休:「はぃ、2貫が良きかと存じます。」
茶々:「はてさて、叔父上にはかなわぬわ。ささ、料理が来たぞ。召し上がれ。」
利休は運ばれて来る料理に舌鼓を打つ、京都で信長との会席での味より遥かに薄い。信長は濃い味が好きであり、フランス料理にさえ、味が足らぬと醤油をかけたりする。
千利休:「して、御子息の鶴松殿は息災にあられるか。」
茶々:「うむ、元気であると申したいが、よく熱を出す。無事に成長すると良いが、そうもならんかも。あと7ヶ月だが、覆れば良いのだが。」
利休は茶々の言葉に疑問を持ったが聞き流した。
※豊臣鶴松 生年月日:1589年7月9日 死亡日: 1591年9月22日
千利休:「それは心配な事でございます。良き乳母を当てがいなされ。」
茶々:「うむ、乳母の正栄が離してくれぬのじゃ。それに正栄は乳の出も良い。そろそろ乳離れせぬといかんがな。妾も心配じゃ。」
千利休:「それは心配な事に御座います。それと秀吉殿は和子にあまり近づくけぬ方が良いかと。」
茶々:「さようだな。あの者は病多きゆえ、離さねばならぬ。」
利休は世間で噂になっている事を確かめたいとの、信長の
命を受けている。話の節々に利休の意図を感じとった茶々が先手を打つ。
茶々:「なんせ、我が身を削って秀吉殿との間に出来た子じゃ。可愛いものよ。短き命なら精一杯可愛がってやりたきものよ。」
千利休:「お気に召すな。気の病になりまするぞ。」
茶々:「心配ない。正栄も腹を痛めた子じゃ。あの者に任せて置けばよい。間違い無く妾と秀吉の子であるからな。」
千利休:(乳母が腹を痛めるとは如何なる事?聞き違いか?言い間違いか?乳と腹を一緒にしておるのか?)
茶々:「いゃいゃ、何でも無い、叔父上、聞き流されよ。ところで叔父上は牛の肉は大丈夫か?」
千利休:「大丈夫に御座います。信長殿に頂いておりますゆえ、大変、美味にて頂きとう御座います。」
利休は和牛(輸入肉は当然無い)のヒレ肉、茶々はサーロインを食す。
千利休:「これは見事に美味き物で御座いますな。口の中でとろけまする。」
茶々:「さもありなん。だが金がかかる。配合飼料とやらはイスパニアからしか入らん。それを食わせぬとこういう味にはならん。」
千利休:「イスパニアで御座いますか。かの商人は金銀のみにて商いをしていて本邦の銭には見向きもしません。」
茶々:「さにあろう。だが九州では金銀はとれぬ。石炭を欲しがるがマイニラまでの船賃で儲けが出ぬ。」
千利休:「困ったもので御座います。して金銀の変わりに何を使いまするか?」
茶々:「そうよのう。マイニラを統率するフィリップス2世を知っておるか。」
千利休:「聞いた事は御座います。」
茶々:「遠き異国の果にて、イスパニアの無敵艦隊とイングランドのエリザベス女王との間で戦がおこった。アルマダの海戦と申す。」
千利休:「なんと!それは如何なる事に相成りもうした。」
千利休はスペインとイングランド、オランダの海戦の話は、信長に使えていたが初耳であった。なぜなら、船外発動機は利休が扱える商品でないからだ。利休とはそうゆう商人である。ルソン助左衛門のような無茶はしない。
茶々:「引分けと相成った。その時、イスパニアは新兵器の小型戦闘艇空母を使ったそうな。」
千利休:「空母で御座いますか?」
利休は信長より在日米機動部隊の話を聞いていた。その空母が出撃すればかなう相手など16世紀の世界にあるはずがない。
茶々:「いや違った、小型戦闘艇母艦であった。」
どうやら茶々も、どの程度かは知らぬが聞き及んでいる。
話がそちらに盛り上がり、利休は肝心な仮称:豊臣九州国の財源を聞き忘れたが後日明らかになる。
話が盛り上がり過ぎで、茶々が手振りを交えて見てきたように話す。すると、卓上の追加した麦酒瓶が倒れて茶々が麦酒まみれになった。
店員A(男):「大丈夫で御座いますか?」
店員が濡れたオシボリを持って駆け付ける。現代日本でもこれはかなり場違いであるが、これに関してはコメントをしない。
茶々:「しまった。またやってしもうた。更衣室を借りるが良いか?」
店員A(男):「お着替えをお持ちしましょうか?」
茶々:「いや、それには及ばぬ。」
店員A(男):「判りました。ではあちらの更衣室をお使いください。必要なモノは用意させます。」
茶々:「かたじけない。世話になる。」
茶々は勝手知ってる我が家のように更衣室に向かう。
しばらくして店員A(男)が利休に声をかける。
店員A(男):「お客様の女性が手伝ってくれまいか、とお呼びです。」
利休:「入ってよろしいか?」
茶々:「入られよ。入ったら直ぐに戸を閉めよ。」
何故か命令口調である。戸を開けると全裸の茶々が立っている。背中を利休に向けている。
茶々:「安心せよ。大丈夫である。履いておる。」
茶々は胸を左手で隠して振り返る。どうやら小さな紐状のスキャンティーを履いていたが後ろ姿は全裸にしか見えない。
千利休:「これはまた、素晴らしい。お美しい。」
壮年の利休は比較的落ち着いている。流石に当代一流の侘び寂びの茶人である。花を褒めるような余裕さえある。
茶々:「そこなるタオルとスプレーで麦酒を拭いてくれまいか。」
千利休:「判りました。」
流石に千利休である。歴戦の強者である。数枚のタオルとスプレーで茶々の身体を清める。
千利休:「乳房は如何がいたしますか?」
茶々:「拭いてたもれ。」
茶々は両手を胸から外して首の後ろで組む。この当時は乳房に関して性的な好奇心は少ない。授乳の道具と思われていた。
千利休:「お美しいお身体で御座います。」
利休は茶々の乳房を褒め称える。
千利休:(まるで生娘のようじゃ。)
千利休:「下の方は如何いたします。」
茶々:「そちらにはかかっておらぬゆえ、構わん。コートを持って来てくれまいか。」
千利休:「判りました、お持ちします。」
茶々はスキャンティー1枚の上からコートを着る。よく全裸にコートの女性を普通?に見かけるが、高価なカシミヤのコートに女性特有の匂いが遷るのを茶々は好まない。
今日のように料亭で食事をする時以外は、茶々はスキャンティーとコートだけで外出する事もしばしばである。