岸川総理!資源が無くなります。
長谷川官房事務次官:「総理。資源が枯渇しております。鉄鉱石と石炭が著しく危険な状態です。」
岸川総理:「何だって それは初耳だぞ。危険ってどういうことだ。操業を止めればいいんだろう。」
長谷川官房事務次官:「総理 それは違います。鉄鋼炉というのは一度火入れをすると、壊れるまで止めるわけにはいきません。そういう構造になっております。」
岸川総理:「それじゃあ、どうすればいいのかね?」
長谷川官房事務次官:「すでに三郎殿より明国皇帝に対して親書を送っております。その回答を待って、現地に調達に乗り出したいと存じます。」
親書を贈ったの一週間前である。無論、返答はまだ無い。親書の内容はこうである。
「明国皇帝様、遼東半島の鉄鉱石と石炭と石油を借受に行くから宜しくお願いします。日本国太政大臣 平朝臣織田上総介三郎信長。」
岸川総理:「なるほど、要約するとこうなるのか。三郎殿は太政大臣を拝命されたか。」
長谷川官房事務次官:「要約?まぁ、国際儀礼に基づいた親書の形式は整えております。」
岸川総理:「それにしても、いや、まぁ、資源的には申し分のない最適な場所ではあるが、歴史的に見てなかなか難しい場所だぞ。」
長谷川官房事務次官:「いぇ、総理、ロシアの進出はまだ先の話です。」
岸川総理:「いや、そうじゃなくて遼東半島は明国と女真族の決戦の場だぞ。」
長谷川官房事務次官:「えっ(汗)、大丈夫です。総理、抜かり無く手配済みです。万が一にも失敗はありません。機動部隊とタンカーが向かっております。ご安心下さい。」
岸川総理:「きっ、機動部隊!、まさか明国と戦争する気かぁ!まだ早いだろ。」
長谷川官房事務次官:「・・・・・・・」
米空母:ジョージ・ワシントン船上
在日米軍最高司令官:リッキー・ラップ中将
「爽快なり。なんと素晴らしい大気だ。今の時代がわかるかね。大航海時代だ。そこに我々米軍空母がいるのだ。世界帝国イスパニア恐るに足らず。 スペイン無敵艦隊など我々が一層残らず駆逐してやろう。」
在日米軍副司令官:ジョージ・ラウル・4世
「中将、イスパニアのガレー船などひとたまりも無いですが、相手は明国の帆船です。さらに簡単かと思われます。」
リッキー・ラップ中将:「まぁ、戦闘にはなるまい。だが紫禁城への上陸は危険を伴う。彼らもすでに火縄銃や大砲を持っているからな。侮っては墓穴を掘るぞ。」
遼東半島の遼河油田、鞍山鉄鉱山、撫順炭田、まさしく資源の宝庫だ。日本が是非とも抑えておきたいのは当たり前である。
半島は戦前からの生命線だったのだが、大日本帝國がこの地を抑えながらも、石油確保のために米英に戦争を仕掛けた理由が解らない。