戦国三都物語:永楽通宝で日本統一 4
今回は面倒くさい税制の話ですので短く済ませます。確定申告しなきゃ。やっぱし面倒くさいなぁ。
信長の経済改革は税の1本化による重税の禁止である。すなわち生産者は生産者額の2割、流通と小売は売上高の1割を生産税、売上税として税務官に支払う。税務官は全て国税局に報告し、予算に基づいた再配分を決める。これはかなり複雑である。だがこの計算は全て安土城の国税局が決めていた。この前の越後特区と備前の渋川党の鞆幕府襲撃事件の反省からコンピューターを導入した。信長は反省する男である。
森蘭丸:「今年度の領主、地侍、寺社、朝廷への交付金が決まりました。承認お願いします。」
織田信長:「あい判った、ではポチッと承認。」
信長が指紋認証に人差し指を入れると、戦国日本の国家予算が決まる。国会の議決はいらない。第一、国会議員はいないし、ややこしい族議員も地方からの陳情団体も公明党もいない。楽なもんである。
ただし森蘭丸にはポチッっとの意味が判らなかった。
(ポチッとは通常クリック時に使われる。指紋認証はどうなんだろう?)
織田信長:「でっ、納税状況は如何なる事になっておる。」
森蘭丸:「はい、北海道を除く日本国土の75%の住民が納税しております。」
織田信長:「まだの地域は何処じゃ。」
森蘭丸:「はい、土佐の長宗我部、薩摩の島津、会津の上杉景勝、関東の北条、奥州の伊達政宗あたりで御座います。」
※出羽や会津以北の太平洋側は奥州で十把一絡げである。信長にとっては銭にならない土地は興味がない。関東も交通の便が悪く陸路は大河川や峠が厳しく海路は黒潮に流され遭難するリスクが多い。
織田信長:「そうか、じゃ、武力行使した方がいいかな?」
森蘭丸:「止めたほう良いと思われます。全く採算が合いません。インフラ投資が税収を遥かに上回ります。」
織田信長:「判った。やめとこう。なんか暇じゃのう。」
この時、戦国時代で極めて重要な決定がなされた。
これによって伊達政宗は命拾いしたのである。小田原遅参に先立つ5年前の話である。