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戦国三都物語:永楽通宝で日本統一 2

ルイス・フロイスが人間ドッグで京都に来た。発展途上の戦国日本を記述したフロイスの克明な報告書が西欧諸国を驚かす。

1583年(天正11年)10月

名古屋〜京都、京都〜大阪・神戸、京都〜若狭湾の小浜港、街道と並行する鉄道が開通した。現在の東海道本線と神戸〜名古屋間はほぼ同じだが、若狭湾は琵琶湖の東の若狭街道を通り保坂で東に90度曲がり熊川を通り日本海に抜ける。


その1年半後1585年(天正13年)5月にポルトガル人のルイス・フロイスが戦国日本の三都(神戸・京都・名古屋)に来た。史実では異論もあるが、転移世界では長崎に滞在していたフロイスが瀬戸内海を海路にて福原(神戸)に来た時から始めよう。


帆船からロープが投げられ、村上水軍の曳舟が引っ張る。当時、帆船の埠頭着岸は難しく、手漕ぎ船の人力によって行われていたが、船外発動機を持つ曳舟=タグボートが安全かつ迅速に接岸を行う。下関から神戸までの船賃は600文(3万円)だった。


次に上陸したルイス・フロイスは半ば強制的に人力車に乗せられる。リヤカーが有るから人力車が有っても不思議ではない。料金は12文(600円)だった。

乗り心地は極めて良い。ゴムタイヤとベアリングが使っているからだが詳細を車引きに聞いても無駄だった。


福原駅のプラットフォームに着くと蒸気機関車が出発の準備をしている。

ルイス・フロイスは京都までの切符を大切に懐にしまう。料金は160文(8000円)だった。かなり高額である。

汽笛を鳴らしてSLが走る。景色が後方に飛んで行く。

馬車とは比べ物にならず。大型帆船が季節風の最高潮時に順風満帆で走る速度よりも早いかもしれない。


すごく手短に書いているが、ルイス・フロイスの日本史には恐ろしく克明に描写されているので多々割愛する。ルイス・フロイスの上司は10分の1に減らせと言ったそうだが、ここでは100分の1程度まで減らしている。

ルイス・フロイスの「驚愕」に関する記述は頻繁過ぎたので全て割愛した。


京都に着いた。2時間のSLの旅が夢の様に過ぎた。


ルイス・フロイスが京都に来るのは5年ぶりである。古都に相応しい町並みが続くが何かが変である。瓦の屋根、木製の障子窓、白塗りの壁、土のままの石張りでないが奇麗な平坦な道。

遠目では判らないが、瓦の品質は恐ろしく向上している。焼成温度が桁違いの窯が使われている。

木製の障子窓は硝子が組み込まれている。しかも透明なフロート板硝子である。

街道の土は舗装されている。アスファルトではない。適度な弾力性をもっていて車の轍ではビクともしない。


フロイスは便意を催す。嫌な生理現象であるが仕方ない。また、あの臭くて虫の蠢く場所に行かなければならない。街路の脇で済ませたいが司教の立場そうもなるまい。


厠の場所を傍らの町人に聞く。丁寧に教えてくれる。

その時、フロイスは気付いた。虫がいない。季節は5月なのに、あの嫌な蠅がいない。さらに日陰に入っても藪蚊が飛んで来ない。そして、路上に汚物が無く、厠からの悪臭もない。


そこには厠番と言う30歳位の女性がいて案内してくれた。「小の方はこちらに、大の方はこちらです。水栓レバーは使用後のみに1度だけ回して下さい。」

女性は絵をかざして説明をしている。公衆便所が京都市内のみではあるが設置されてた。至極、快適なトイレである。


居並ぶ商店街の中で一軒の反物屋に注目すると、間口3間(6m)の商店である。両側に壁があり、柱と同寸の斜材がタスキ掛けで入っている。何でも建築基準法とやらが出来て耐震壁が必要だそうだ。さらに街のあちこちに防火用水が準備されている。消防法も出来ている。


神社の境内にて縁日がなされている。異宗教なれどフロイスは気にしない。様々な露天が並ぶ。炭火での焼き鳥、焼き烏賊、焼き饅頭、どれも食指を誘う。

数年後には、綿菓子、たこ焼き、りんご飴、更にはバナナのタタキ売りが、この場を賑わすが今はまだ無い。


ルイス・フロイスの今回の目的は人間ドッグである。織田信長からイエズス会を通して直々の呼び出しが有ったのだ。フロイスは目的の京都総合診療所に向かった。











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