平和な現代日本は危機感ゼロ。
2026年の正月が始まろうとしていた。 戦国日本では1582年である。移転先では旧暦ではあるが、この際、西暦に合わせておこう。
転移して1ヶ月、驚くべきことに日本ではさしたる動揺がない。日本国民は驚天動地の変化を受け止める気がないのだ。
日本政府の通達により、ガソリン等を使う帰省を極力控えるように言われている。そして、正月の食品ロスを極力少なくするようにも指導されている。
だが石油やLPG、小麦、飼料、鉄鉱石などの物資を満載したタンカーが普通に日本に帰って来る。ゆえに危機感がない。積み荷おろしたタンカーが港を離れないのを訝る人も少ない。現代日本人とはそうゆう人種なのである。「騒いでも仕方ない。」それはそれで美徳かもしれない。
むしろ、多くの日本人の認識として国土が倍以上になったと感じている。さらに樺太が2つが手に入った。カムチャッカ半島も近隣にある。そして何より手つかずのハワイが近くにある。一体全体、何の不安があろうか。
消費者物価も安定している。なぜかET車を除く車の価格が異常に下がっている。それは当たり前のことだが、なぜか騒ぎ立てる人が少ない。差し迫る不安に怯えるより、日本政府を信じればいいという考えだろう。「どうにかなる。」それが平和ボケした現代日本人の根幹である。
一般市民A:「すっげぇ、でっけえタラバ蟹だな。毛蟹もこんなに安くなってる。やっぱりロシアがいなくなると、世界がこんなに良くなるんだなぁ。」
「なんせ400年モノのタラバ蟹だ。美味いに決まっとる。」
極大のタラバ蟹にカブりつく家族たち。猟期ではアブラ蟹かもしれないが美味ければ文句を言う必要は無い。