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上杉景勝と森蘭丸 6

上杉景勝の話に戻ってしまいました。信長の新税制で窮地に追い込まれた景勝に生き残りの勝算が有るのでしょうか。

信長の税制改正の先陣を切った越後の話である。


消費税は農民、漁者、青苧、などの一次産業には好評だった。生産額の2割の税率は五公五民〜七公三民の税率に喘いでいたのだから、まさしく天の助けである。


商人にとっては、やや不評であったが、すぐに受け入れ対応した。仕入れ値に経費と税金と儲けを足して、仕入値の1.5倍で売ればいいだけで無茶な値引きをする輩も少なくなった。


困ったのは武家や神社や寺である。年貢を集める手間は無くなったが、税の収入は米の買取価格であり、歩率も下げられた。米を買うにも2割〜3割は値上がりしている。

恩着せがましい経過措置の一時金で誤魔化されていたが、

直ぐに台所事情は厳しくなった。


越後侍A:「何と米一斗(15キロ)が150文とな!

高い高すぎる。」


米問屋:納屋助左衛門「私共は米一斗を信長様より90文で仕入ております。これが証文です。」


越後侍A:「それが何で150文になるのじゃ?」


お米問屋:納屋助左衛門「150文で売りましても30文は消費税で御座います。残りは精米と運賃で精一杯でございます。」


通常、商人が仕入値を客に教える事は無いが、米奉行から御触れが出ているから隠す必要もない。


越後侍A:「そうか、仕方ないの、どの問屋も同じだし。」


越後侍Aは渋々、銭150文を払い米を担いで帰ろうとする。


米問屋:納屋助左衛門:「あっ、お武家様、お近くなら配達が10文で御座います。なお、配達なら寿司一折が55文になる割引券をお渡しします。」


越後侍A:「なるほど差し引き5文(250円)か。配達してくれ。」


米問屋:納屋助左衛門:「毎度あり〜、またのお越しを〜」


納屋助左衛門は後に豪商と呼ばれる。


― ― ― ― ―


春日山城:上杉景勝の居城

家臣A:「殿、そろそろお給金を頂かねばと家臣共が騒いでおります。」


上杉景勝:「家臣は田畑を持つ者も多いと聞く。織田信長の買入で潤っておろう。織田殿からの分与金は儂が預かるゆえ堪えろ。」


家臣A:「はぁ、田畑の無い牢人者はいかが致しましょう。柴田勝家との戦にて大量に雇い入れましたが。」


上杉景勝:「あぁ、あの者達か、雇い払いといたせ。」


家臣A:「はぁ、では仰せの通りに。それと諸将への支払いは如何いたします。先刻の新発田のように背かれては一大事です。」


上杉景勝:「負け戦じゃから致し方ない。無い物は払えん。それじゃ、そうゆう事で。」


上杉景勝は銭20貫(約100万円)を持って魚津港に向かう。銭は重たいので新たに発行された200文紙幣(今の1万円)に両替してある。倒産前の経営者の豪遊は半端ではない。


然るに、後の世ではこれを「上杉景勝の背水の陣」と伝わる事なる。

















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