表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
116/118

116 1594年9月8日 豊臣秀頼1 覚醒

秀頼が主人公となり、新たな展開が始まりました。

秀頼は1歳の誕生日を迎えた。


秀頼:「私は誰だ。何故、記憶が有る。これは誰の記憶だ。やめてくれ、私は未だに赤子でいたい。」


無慈悲な記憶だった。大坂城内の山里丸に秀頼は母といた。千姫は脱出出来たか気になったが詮無い事だ。

最後の時を迎えていた。徳川幕府軍の総攻撃になす術はかった。大野治長が腹を切り介錯されて首が落ちた。母も自ら懐刀で首筋を切り、吹き出る血に没した。そして自らも腹に短刀を少し刺した瞬間に首筋に激しい衝撃を受けた。視界がひっくり返り景色が歪んで見えたが、すぐに暗くなった。

暫くして眩い光の中にいた。


秀頼:「これは誰の記憶だ。私は何処にいる。」


大坂城の本丸のベビーベットからムックリと起き上がった秀頼はベッドの柵に手を掛け叫んだ。


秀頼:「タレカアル、ヨドハドコジャ、センハイカニオワス。」

 

転移世界において茶々は山城淀城を賜わった事はない。また千姫は1597年5月生まれにて3年先に生を受ける。


乳母の知らせにより、茶々が急ぎ駆けつける。


茶々が秀頼を抱きかかえる。そして不安げに顔を覗き込む。シッカリした目付きに茶々が狼狽える。


茶々:「秀頼、如何した。悪い夢でも見たか?母が傍にいる。安心せい。大丈夫じゃ。」


秀頼:「淀君、我が母、若いのう。千姫は如何なる事になった。無事に逃げおおせたか。」


幼児語のイントネーションで有るが茶々にはハッキリと聞き取れた。茶々は(秀頼)が大坂夏の陣から戻って来たことを知った。


茶々:「秀頼殿、お目覚めが早すぎます。今しばらく赤児でいなされ。」


秀頼:「さにあるか。今暫く眠っておるか。」


秀頼はそう言うと、再び眠りについた。


輪廻転生という現象がある。生まれ代わりだが、物理的には不可能である。減数分裂した生殖細胞の遺伝子が合わさる事で新たな生命が誕生するが、記憶領域は勿論、人格さえも遺伝子にて引き継ぐ事は不可能である。

もし、輪廻転生が存在するとしたらクラウドが必要不可欠である。

クラウドはオカルトの世界である。人間が時折クラウドに接すると神を感じると言われる。

話しを単純化するために、神を一言で言えば「ロゴス」である。

―――――

《新約聖書「ヨハネによる福音書」第1章から》創世は神の言葉ロゴスからはじまった。言葉はすなわち神であり、この世界の根源として神が存在するという意。

―――――

注釈文は少し違う。ロゴスは言葉であり、言葉は集団によって作られた。神は個々の人間の脳とクラウドに存在している。ネットワークが巨大化したロゴスは巨大な神となる。

―――――

秀頼や茶々の思念は気泡となり時空を超越した。そして新しく生まれた秀頼の脳細胞に宿ったのである。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ