104 1594年4月1日 エイプリルフール
なかなか次の話のアイデアが出てきません。とりあえず適当に余談となります。
転移世界にもエイプリルフールはある。本日は転移した現代日本が世界征服した話である。
「日本国が戦国時代に転移して世界征服」 山田二郎 作
1581年12月1日未明、日本国が戦国時代に転移、日本政府はすかさず石油と食料の確保に奔走。都合良くクワトコメ国もビアラブ国も無い。
南蛮と中国(明)に米機動艦隊の空母ジョージ・ワシントンを中心に駆逐艦、イージス艦、哨戒艇、計10隻で威嚇の艦砲射撃とF-35やF-22のデモンストレーション。
それで中国や東南アジアから米や麦をゴッソリ買い受けるも不味いから返却して、ジャポニカ米を強引に作付けさせて化学肥料をゴッソリで出来高は3倍、しかも美味いから中国も東南アジアは大喜び。
日本で余っていたタンカーをイスパニアに操舵士付きで無償貸与。ブルネイで油田を採掘して、無敵艦隊はお払い箱、シン無敵艦隊は16世紀では絶対無敵。自衛隊と在日米軍艦隊は、なおさら完全に無敵。憎っくきオスマン・トルコは暇潰しに撲滅。
直ぐにスエズ運河を着工して半年で完成。
史上最大のガワール油田を確保、製油所も出来てエネルギー問題は完全に解決。
ここまで3年、この後20年は日本の一人勝ち。
壊血病、マラリア、梅毒、脚気、らい病、結核の予防と治療法も広まり、日本人は神様かと世界中から重宝されるが感謝はされない。ただし治療法は一部の富裕層の話である。一般庶民にはグローバル化による感染のリスクが増えている。
さらに治療費を値切られまくる。おまけに教育費無償化だの税金が重たいなど好き勝手である。
1600年頃から情勢が変化、別に圧政をしていた訳ではないが独立運動があっちこっちで勃発、面倒くさいから、在留邦人が引き上げるとアッサリ泥沼の内戦勃発。
さらには宗教戦争も各地で勃発、近代兵器の戦争だから犠牲者も莫大、特に毒ガスは肥料製法を少し変えればいいから大量生産で大量殺戮。
当初から懸念されていた疫病・梅毒はあっちこっちで猛威をふるう。免疫力の無いハワイの原住民がインカ帝国並みに大被害に合う。畏れていた抗ペニシリンの新種株が発生。世界同時多発にてなす術が無い。さらにはスペイン風邪が世界を駆け巡る。もっともパンデミックは何故か治まるから不思議だ。人類絶滅には至らない。
日本が教育機関を開放したせいで、各国から優秀な人材が集まり、450年分の人類がコツコツと積み上げて来た知識を一気に取得する。
電球や電話を発明したのは誰かは勿論わからない。ニュートンもアインシュタインも出る幕は無い。
日本が文明開化から約36年で日露戦争に至るが、これは世代が2代未満である。文明の挿し木は2代あれば十分かもしれない。
かくして世界は16世紀末から、一気に20世紀前半にジャンプする。なぜ21世紀で無いかというと、2つの世界大戦を経験しなければ面白くないからだ。
それと日本がコンピューターを量産出来なかったのも一因である。肝心なCPUを輸入に頼っていたため、根本的な技術が失われていたのだ。
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1594年4月3日
山田二郎が『小説家になれるかも』に投稿した「日本国が戦国時代に転移して世界征服」がPV10万の大ヒットになる。
摂政・佳志子内親王:「なんかつまんないですね。いきなり3世紀も無くなるなんて。」
忰田麻由子:「世界征服なんて面倒なだけですね。止めましょう。」
摂政・佳志子内親王:「そうしましょう。止めましょう。それと今日のお昼は戦国日本の「なまず鰻」の特上鰻重にしましょう。」
※「なまず鰻」(93話 1594年1月1日 名護屋城攻城戦1) 参照