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あれ、思ったより癖強くない?

「いいんですか!喜んで!」

「ありがとうございます!これからよろしくお願いします!」

「こちらこそよろしくお願いします!」

 誰かとチームを組んでみたかったのか、すごく喜んでいる。てか、俺もそんなに戦闘得意ではないんだけどな。少し不安はあるが回復できる人がいればすごく戦いやすいだろう。

「一回町まで戻りますか。」

「そうしましょう、私も結構歩いたので疲れました。」

 いったん町に帰ることにした。その間に少しでも彼女のことについて知っておこう。

「失礼でなければ、ステータスとか教えてもらえませんか?」

「あー、えーっと、いいですよ。」

 あんまり知られたくないのかな、そんなステータスを隠していいことがあるのか?疑問を抱きながらもステータスを見せてもらう。彼女が恐る恐るカードを見せてくれた。

 …あれだ、得意なことは回復魔法とか言っているけど回復魔法しかできないんだね。ステータスを見て驚きが隠せなかった。レベルと防御面、素早さは似たような数値ではあるが、攻撃力が1であることや魔力が100を超えていることは衝撃的であった。それに追加して、使用可能魔法は回復魔法しかない。

「すみません!私は回復魔法しかすることができなくて、支援魔法もできなんです。隠していてすみません。」

 何度も謝ってきている。しかし、何かしらに特化しているのことはうらやましい限りである。

「そんなに謝らなくもいいですよ。回復魔法だけでも得意なことがあるのはすごいことじゃないですか!」

「そんな…、ありがとうございます!」

 彼女はだいぶ喜んでいるようだった。俺みたいな凡人が一人でいるよりはマシだろうし。

 そんな話をしている間に、すっかり日が落ちてしまった。まぁそろそろ町に着くし問題ないだろう。そんなことを考えていること自体がフラグだろう、目の前の地面が盛りあがってきている。

 まじか、これはゾンビとかそういう系のやつではないか。その地面を見ていると手が出てきて、徐々に這い上がってくる。しかも、一体だけではなく、かなりの数がいるようだ。

「一つ聞いてのいいですか、あれはいったい何ですか?」

「あっ、あれはですね、アンデットと言って、夜になると出てくるモンスターなんです。」

 彼女はだいぶ顔を真っ青にして話している。たしかにあの数のモンスターが出てくるのは結構怖い。どうしたものか。いや、待てよ。アンデットなら逆に回復魔法が効くんじゃないか?

「もしかして、アンデットなら回復魔法って効くんじゃないですか?」

「そうなんです、アンデットは本来なら回復魔法のみが弱点ですね。」

「本来なら?」

「はい、申し上げにくいのですが、なぜが私の回復魔法は本当に回復しかできなくて。…ゾンビですら回復させてしまうんです!」

 それを聞いて、二人は一斉に夜の草原を走り回るのでした。


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