インスタントフィクション 公衆トイレ
公衆トイレで用を達する。この瞬間が社会の中で生きていることが実感できる。
小さな公園の小さなトイレ。立ち便所が一つに個室が一つ。男女兼用で、いつ誰が掃除しているのかわからない。立ち便所の周りは小便の飛び散ったシミ。個室にはドアの落書きに冷たい便座、へばりついて取れない大便がある。
用を達し終えると、ここを掃除している人に出会した。お世話様ですと挨拶するとにっこりと挨拶を返してくれた。とても気さくな人だと感じた。持っているのは水が満タンに入ったバケツにブラシと洗剤だ。
いつも掃除さなるんですかと尋ねると、汚れた時だけねと答えた。
このトイレには汚れなどない、当たり前に存在するそれらだ。間違った解釈は誰にでもある。しかし、それを正す者がいなければならない。だから私は言った。
「汚れなどありませんよ」