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第71話 (2011年11月22日)18歳




11月22日


予定通り、今月の1日から今日にかけてクリー株を売却した。

平均売却額は2700円、170万株で合計は45億9000万円になった。

2月に1350円ほどで購入したため、約2倍になっている。


このお金は、年末までは投資せずに残しておく。

今年の誕生日、18歳になる日にFXの口座を開設して、審査期間を考慮しても年末あたりには取引を始められるようにしておきたい。


前世では株取引の経験はなかったが、FXの経験ならある。

株よりもこちらの方が、チャートや暴落時期などを記憶しているし、慣れていて稼ぎやすい。


「浩介ってりんご株持ってたよね〜?」


「持ってるよ、欲しいの?」


「なんか色々探してるんだけど〜、あんまり良さそうなとこなくてね〜。やっぱりアメリカのIT企業がいいかなって」


「いいんじゃないかな、10月に新しいスマホも出たばかりだし。これ使いやすいよ」

そう言って新しいスマホを見せる。


「い〜な〜!私も大学生になったらスマホに変えよっかな〜!」


「いいじゃん、来年ちょっとおすすめの会社あるから、それまではりんご株持っててもいいんじゃないかな?」


「おすすめって〜?」


「それは内緒、その時になったら教えるよ」


「え〜、ケチ〜!でもそういうことならここにしよ〜っと!」


「楽しみにしてて」


「そうする〜!あ、そういえば2回目も杏奈に断られたんだって〜?」


杏奈とは告白した後何度か2人だけで遊んでいる、誘っても断られないところを見ると気まずく思われたりはしていないようだ。

先週、遊びに行った時にも2度目の告白をしたのだが、断られた。


「そうだね、でもまだ諦めてないよ」


「ふふ、諦め悪いね〜?最初に断られた時みたいに慰めてあげよっか〜?」


「いやその時もそこまで落ち込んでなかったでしょ」


文化祭の後、美咲達には断られたことを報告してある。

渚は気の毒に思ってくれたのか、2人きりの時に優しく慰めてくれた。


「まあ、落ち込んでるかと思ってたけど、結構普通だったね〜、もっと頼ってくれていいんだよ〜?」


「渚には結構頼ってるよ、すごく助かってる」


「そうかな〜?でも助かってるならよかった〜!」


「そうそう、いつもありがとう」


「いいってことよ〜!そういえば、浩介FX始めるんだよね〜?それも教えて欲しいな〜!」


「あ〜、ん〜、どうしようかな」


FXは株よりもよっぽどギャンブル要素が強い。

もちろん、基本的には金利や政治状況、経済状況に即した動きをするのだが、国による介入や、投機的な影響もでかい。


実際、実需で取引されるよりも、投機で取引される量の方が圧倒的に多い。

政治家の発言や国による市場介入によって、何年かに一度の頻度で○○ショックという名がつくような相場の急変が起きる。


渚に勧めるのは少し気が引ける。

どうしようかな・・・。


「ダメなの〜?」


「ん〜、渚にはあんまり投機をしてほしくないんだよね」


「浩介はやるのに〜?」

俺は前世の記憶があるからな・・・こんなことは言えないけど。


「俺はずっと相場見て勉強してるからね、それにある程度失敗しても挽回できるから」

ということにしておく。


「そっか〜、じゃあしょうがないね〜」


「大丈夫、渚なら株でも十分に稼げるから」


「まあ、そうだね〜!それに、まずはちゃんと株の勉強しなきゃだしね〜!」


「うんうん、渚はえらいね!」

頭を撫でると、渚は俺の方にもたれかかってくる。

可愛いなあ、この感じすごく幸せだ。





12月25日


待ちに待った日がやってきた。今日で18歳。

ようやくFX取引ができるようになった、といっても今すぐに始められるわけではないが。


朝のうちに口座を開設する、最大取引数量に制限があるところが多いので、国内外複数の会社で申請する。

開設までにかかる時間は一番早くて当日中、遅くても3日くらいで完了する。

今日は日曜日なので、実際には早くて明日になるだろう。


この時期から年始にかけては、ドル円相場もユーロ円相場も円高方向に振れていたはずだ。

開設が済み次第、順次売り注文を出していこう。



お昼、渚の家で毎年恒例になっている誕生日パーティー兼クリスマスパーティーへ向かう。

休日なのだけど、渚の両親は予定を作ってくれたのか、元々あったのかはわからないが、家にはいないらしい。


「「「「「誕生日おめでとー!」」」」」


「ありがとう!って杏奈もいるの!?」


「えへへ、サプライズだよ〜!驚いた〜?」


「うん、びっくりした!杏奈、遠いのにありがとう」


「ううん、美咲達に誘われてね、私もお祝いしたかったし」


「渚が杏奈を誘おうって言い出したんだー!」

さすが渚、いつも良いアシストをしてくれる。


「杏奈も居た方が浩介が喜ぶと思ってね〜!」


「ほんと嬉しいよ、ありがとう!」


いつも通り美咲の作った料理を食べ、ケーキを食べ、プレゼントを貰った。

いつも通りみんなで遊んだ後、夕方には渚の両親が帰ってきたので解散する。


いつもと違い解散した後、途中まで杏奈を送るために2人で街へ向かう。

乗り換え駅で下車して、それとなくイルミネーションが見える場所に向かう。


「今日は来てくれてありがとう!」


「もう言ったけど、こうすけのお祝いしたかったから。気にしなくて大丈夫だよ」


「綺麗だね」


「そうだね、きれ〜」


「杏奈の方が綺麗だけどね」


「それはちょっとクサすぎかな、でもありがとう」

薄暗くて見にくいが、杏奈は少し照れているようにも見える。


「杏奈、しつこいって思うかもしれないけど言うね。杏奈のこと凄く好き。俺と付き合って欲しいです」


「3度目だね。こうすけのことずっと考えてるんだけどね、もう少し考えたいな。それでね、卒業旅行の時に返事してもいい?あんまり引き伸ばすのも良くないと思うから、それだけ決めとく」


「全然ゆっくりでも大丈夫だから。ゆっくり考えてみて!」


「うん!こうすけの気持ちは嬉しいから。それだけは心配しないでね」


さて、どうなるかな〜、いい返事だといいな。


クリー→グ○ー


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― 新着の感想 ―
[良い点] ついに最新話まで追いついてしまいました! いやーいいですね! とうとうFXですか! さっぱり分かりませんが楽しみにしてます!
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