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第6話 日常2




 小学生から塾に通って勉強するというのは最近の都会では珍しくもないかもしれないが、2005年当時の田舎ではまだまだ珍しい方だった。


「ヤッホーこうすけ今日も遅いねー」


「おう、聖奈ちゃんは今日も早いねー」

「お菓子持ってきたから食べる?」


「食べるー!ちゃんと覚えてたんだね!」


「聖奈ちゃんのためだしね!」


「いい心がけだね!」


 美味しそうにお菓子を食べる聖奈ちゃんを見てると家で飼っているワンコ思い出すな。


「どうしたの?」


「いや可愛いなと思って」

 なんかワンパターン化してきたな。


「でしょー!私可愛いからね!」

 すごい自信家である。


「こうすけくんもはい、あーん」

 こういうことを自然にできるのは幼い頃の特権だよなあ。

 中学生くらいになってくるともう難しくなる。

 

「ありがとう」

 唇に微かに触れた指に少し心躍りながら食べる。

 ただのお菓子でも美味く感じるなあ。


「授業始めるぞー座れー」


 もうそんな時間か、可愛いこ見てると時間が経つのは早い。

 塾で会うだけじゃ話す時間が限られる。

 聖奈ちゃんとは今のうちに仲良くしておいて、中学に入ってからが勝負だな。

 中学に入れば確か中1の時のクラスも同じだったはずだし、仲を深めやすいはずだ。


 しかし、中学に入ると渚ちゃんは同じ学校だからいいんだけど、美咲ちゃんと離れるのが惜しいな。

 次会った時に受験する気はないのか聞いてみるか。


 俺が行くことになる中学は私立の中高一貫校で学費も西日本でも上から数えた方が早いくらいの学校で、偏差値もそこそこ。

 金銭的にも学力的にも少しハードルは高い。


 俺もいくら2度目の受験とはいえちょっと復習しておかないと入れなくなる恐れがある。

 とりあえず真面目に授業くらいは受けておかないと。



 家に帰ると家族はテレビを見ていた。


『・・・ダイブドアと浅間テレビとの業務提携が決まり・・・』


 ダイブドアか、この時期だったか、懐かしいな。

 猫型ロボットみたいなあだ名でハリエモンと呼ばれ、ヤマト放送買収問題で騒ぎになった人が率いる会社だ。

 2006年の頭に証券取引法違反かなんかの容疑で家宅捜査されるんだよな。

 それが引き金でダイブドアショックという株式の暴落が起きるんだ。


 ・・・これは使えるか?いやまだ信用取引口座の開設は年齢制限でできないはずだ。

 それまでに親を説得して、代わりにやってもらうっていう手もあるか・・・

 

 説得材料がいるな。

 2005年のうちに稼がないと。


 用意してくれていた晩御飯を食べる。


「ダイブドアだって、浩介はここの株は買わんの?」

 兄が話しかけてくる。


「ここの株はまあいらないかなー」

 とっくにピークは過ぎてるしな。ダイブドア株が一番高かったのはもっと前、去年あたりのはずだ。


「ふーん」

 兄は投資にはあまり興味はないようで、それ以上は聞かれなかった。


「お兄ちゃんネズミー買ってよー」

 ネズミーとはネズミーリゾートのことで、日本最大のテーマパークだ。

 運営してるのは東洋陸地とかいう名前の会社で、ここもいずれ買う予定だ。

 まあ、買うのは7年くらい先だけどな。

 政権が変わって一気に値が上がるし。


「ネズミーはまた今度ね」

 適当にあしらって、株価をチェックしたあと寝ることにする。



 全勝ホールディングス株1750円前後、ちょっと下がったかな。





浅間→浅間神社→富士山→???

ヤマト→日本→???



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