第40話 修学旅行
10月1日、今日から中学3年生は修学旅行に向かう。
行き先はハワイで、4泊6日の予定だ。
「楽しみだねー!」
「ねー!部活メンバーも一緒だしねー」
「ほんと今年はクラス一緒でよかったよ」
「聖奈昨日全然寝れなかったー」
日も暮れ始める頃、市内の真ん中にある空港の集合場所へ向かっている。
この街は空港へのアクセスがいいことで有名だ。
「杏奈!由依!」
「あ!これで揃ったねー」
「来るの遅かー!結構待ったけんね、はよ行こう」
「すまんすまん」
オタク友達2人と一緒にいた杏奈たちを見つけた。
そう、また一緒なのだ。こればっかりは男1人の班は認められないのでしょうがない。
これから夜の便でハワイまで直行する、大体8時間のフライトだ。
前世でも海外には何度か行ったが、なかなか寝れないんだよな。
「あ〜、こんな狭い座席じゃなくて、自分の飛行機欲しい」
「そんなの無理でしょー?我慢しないとね!」
「いずれ買えるようになるから!それで美咲も一緒に旅行に行こう!」
「ほんとー?まあ、浩介ならできるかもねー?」
「信じてないでしょ」
「信じてるもん」
エコノミークラスの狭い座席にうんざりしながら耐える。隣には美咲が座っているし、通路を挟んで渚もいる。一番後ろの席だし、多少イチャイチャしててもバレないかな?ぐっすり眠れるかもしれない。
「ついたー!」
「おぉ、きれい」
「見て渚!空が青いよー!」
「ほんとだー!すごーい!」
朝にはハワイの空港に着き、バスでホテルへ向かう。
ハワイ初日と2日目は、特に面白いこともなく、修学旅行らしく平和学習でパールハーバーに行き、現地の中学校で交流した。
2日目はダイヤモンドヘッドに登る。
「はぁ、はぁ」
「杏奈ちゃん大丈夫?」
「うん、まだ、なんと、か」
「荷物もらうね!」
「あ、ありがとう」
「きつかったら言ってね、休憩しよ」
「うん!」
俺たちは1組なので先に上り始めたのだが、杏奈ちゃんに合わせて登っているため、どんどん追い越されていき、学年でももう最後尾あたりを登っている。
「展望台ついたねー!」
「ふー、疲れた〜、みんなごめんね〜、こうすけ君も荷物ありがとう!」
「大丈夫だよ!ほら、眺めすごいよ!」
苦労した甲斐あって、まあ1時間ほどの登山なのだが、綺麗な景色が見えて心が洗われるようだった。
「じゃあ、1組の人は下山を初めてください!」
「「え、もう?」」
展望台で過ごせた時間は一瞬だった。
3日目と4日目は自由行動になる。
「どうする?」
「聖奈、海行きたーい!」
「ハワイに来たらワイキキビーチ行かないとね〜!」
「じゃあ、海いこっかー!みんなに着替えるように言ってくるねー!」
美咲が班のみんなに伝えに行き、それぞれの部屋で水着に着替える。
ホテルはワイキキビーチから道路を一つ挟んだところにあり、水着でそのまま出歩くことができた。
「おぉ、いいねえ」
「でしょー!」
渚は黒いビキニの上にパーカーを羽織っている。
「どう、かな?」
美咲はビキニの上に透け感のあるTシャツとショートパンツを来ていて、セクシーだ。昔はビキニを嫌がっていたが、慣れたのかな?
「早く行こーよー!」
聖奈はフリルのついたピンク色のタンキニで、身長もあり幼く見える。
「はいはい、いこっかー」
渚が聖奈の手を繋ぎ、歩いて行く。
杏奈ちゃんや由依ちゃんの水着姿も可愛かった。
お昼まで海で遊んだ後はお昼を食べ、ショッピングに向かった。
「浩介ー、これ買ってー!」
「渚、またそうやってー、ちゃんと自分で買わないとー!」
「聖奈これほしー!」
「はいはい、美咲は欲しいものないの?遠慮しなくていいんだよ?」
「美咲はまじめだね〜」
「んー、じゃあこれ!」
少し買ってもらうのに慣れてきたかな?
渚みたいに当たり前になっても困るが、プレゼントするときにあまり遠慮されても困るからな。
5日目はハワイ文化体験をして、夜には帰国する。
「楽しかったね!また来ようね!次は浩介の飛行機で!」
「おう」
美咲は行きの機内で行ったことを覚えていたようだ。
これは、いつか手に入れないとな。
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