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第22話 花火大会




8月1日



「あー、負けた〜!」


「渚強いなー」


「2人ともまだまだだねー!」

夏真っ盛りの日、朝から渚の家でゲームをしている。

渚は付き合うまでほとんどテレビゲームをしたこともなかったのに最近では腕を上げ、しばしば負ける時がある。

この子は要領がいい。大抵のことはなんでもうまくやれる。


「でも渚、すっかりゲームにはまったねー」


「こうすけと家で遊ぶときはゲームが多いしねー!ハマっちゃったー!」


「やってみると面白いよね!」

2人がゲームにハマってくれて何よりだ。

いずれアニメや漫画も布教したい。趣味は合う方がいいからな。


「じゃあ、もう一回!勝負しよ!」

そういって美咲はソファーの上に足をあげ、体操座りする。

柔らかい生地のスカートがずり下がり、綺麗な太ももが見えた。

触りてー、隣に座ってるからパンツが見えないのが残念だ。


「ちょっとトイレ行ってくるー!」

美咲が席を外すと渚がニヤニヤしながら話しかけてくる。


「美咲の足見てたでしょ〜!」

はい。


「綺麗だなって思ってね!」

嘘をついてもバレるだろう。正直に答える。


「触りたかったら私のはいいよー!美咲にはまだ変なことしちゃダメだよ?」

渚は部屋着のショートパンツなので元から足が丸見えである。


「お、じゃあちょっとだけ」

遠慮なく触らせてもらう。

無駄な贅肉もなく、すべすべの肌が気持ちいい。


「綺麗だね」


「でしょ?」

ちょっとだけ渚の顔が赤い気がする。


「お待たせー!」

美咲はすぐに戻ってきたので2人とも慌てて姿勢をただす。

至福の時間は一瞬だった。


「どうしたのー?」


「ん、なんでもないよー!次の勝負しよ〜!」


「おっけー!」


お昼は美咲の家に移動して食べる。


「おかえりーご飯用意してるよー」

美咲のお母さんが用意して待っていてくれた。


「いつもお世話になってます!」

お義母さんには好印象を持ってもらわないとね。


「ごちそうさまでした!美味しかったです!」


「ごちそうさまー!次何するー?」





「じゃあ、そろそろ帰ってー!」


「もーそんな言い方しなくていいのに〜」

16時くらいまで美咲の部屋でおしゃべりをしていると家を追い出される。

「また後でね!」


「ふっふっふ、私たちの浴衣姿、楽しみにしててねー!」

今日は学校のある都市で大きな花火大会がある。

聖奈と杏奈ちゃんもくるので5人で見にいくことになっている。

由依ちゃんは旅行中でこれないそうだ。




「お待たせー!」

着替えてきた2人が家にきた。


「じゃじゃーん!どう?私たち可愛いでしょー?」

美咲は白と水色の夏らしくてかわいい浴衣、渚は赤と黒の大人っぽい浴衣だ。

胸が大きな美咲でも似合うように着付けされている。

2人とも髪もしっかりセットしていてかわいい。

色違いの、花の形をした髪飾りをつけている。


「めっちゃ可愛い!ナンパされないか心配になる!」


「えへへ、そんなことないよー!」

「でしょー?ちゃんと守ってねー?」


「りょーかい!」

電車に乗り待ち合わせ場所へ向かう。


待ち合わせ場所で少し待っていると聖奈と杏奈ちゃんがほぼ同時にきた。

「ごめーん遅れたー!」

「ごめんね、待った?」

2人とも浴衣姿が綺麗だ。

杏奈は美人で大人っぽい浴衣が似合う。

聖奈はハーフだから色が白く、髪色も明るいので派手な浴衣に負けていない。


「大丈夫だよ!そんなに待ってないから!」

「花火は7時からだから、それまで屋台まわろっか!」


「「「「はーい」」」」

4人揃って返事が返ってきた。


「聖奈りんご飴食べたーい!」


「こうすけ、私たこ焼き食べるー!」


「ちょっ、ちょっと待って順番にね!そこにたこ焼きやさんあるからまずそこに行こう!」

聖奈も美咲もテンションが高い、はぐれないように気をつけないと。


「はーい」

「邪魔にならないよう2人づつ手をつないで、はぐれたら待ち合わせ場所に集合な?」


「「「「はーい」」」」

いい返事だ。


「欲しいものがあったら俺にいってね、なんでも買うから!」


「いいのー?」少し遠慮がちな美咲

「やったー!奢りー?遠慮しないよー?」全く遠慮するそぶりを見せない渚

「いえーい」テンション駄々上がりの聖奈

「え、悪いよ」礼儀正しい杏奈ちゃん

多種多様な返事が返ってくる。


こんな可愛い子たちと花火に来たんだ、それくらいは安いものだ。


「聖奈くじ引きしたい!」

聖奈がくじ引きの屋台を見ている。

先の未来ではヨーチューバーが買い占め動画をあげて、騒いでいたな。

あたりくじが入っているかわからないが、こういうのは雰囲気を楽しむものだ。

当たろうがハズレようが関係ない。


「杏奈ちゃんもやる?」

やりたそうに見ていたので声を掛ける。


「いいの?じゃあ一回だけやろっかな?」


「何回でも引いていいよ!」

それくらいのお金ならある。


「ありがとう!」

美人で黙っていると少し怖い彼女だが、笑うと本当に綺麗だ。




「わーきれい!」

花火が上がり始めた。

本当に綺麗だ。花火をこんなに間近で見たのはいつぶりだろうか。

大きな池に映る花火も美しい。

隣にいる女の子たちも。


「また来年もきたいねー!」


「そうだね!」

来年も絶対にこよう。



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