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東エリアの植物

「今日は東エリアに案内しようと思います!」


「お願いします!」


 ランダムシードを見つけた二日後、俺は再びリオカに護衛を頼んだ。一昨日、面白い発見をしたことに味を占めたのか、今日も快く護衛を受け入れてくれた。


 ちなみにだが、「アイテムドロップ率上昇」の小刀はひまわりさんにプレゼントすることになった。代わりに、リオカとフラウは無料で『付与』をしてもらうことになり、みんな満足顔だった。

 ひまわりさんは、本人が言っていたように「喉から手が出るほど欲しい」レア武器を手に入れる事ができ、リオカとフラウは念願の各種属性付き武器を無料で作ってもらった(もちろん、魔石代は二人の負担だ)。そして俺は、シュレディン魔石のレシピは公開することが出来た(リオカの許可は得ました)。今後、シュレディン魔石がギルドで販売されるようになれば、俺にお金が入るのだが、ああいう類の「高級品」はギルドの管轄にならない気がする。だから公開しても俺の懐には一銭も入らない可能性もあるが、まあその時はその時だ。


 昨日も本当は探索に行きたかったのだが、昨日はキャットフード店を開ける日だったので、そっちを優先した。商品を買いに来る人が居るって事は、誰かが必要としているという事。自分の事情を優先して誰かを困らせるのも気が引けたからだ。あまり臨時休業ばかりしてると、信用を失うしな。


 そうして今日になったわけだが、リオカの提案により、「色々な場所で色々な植物を鑑定して『植物図鑑』の新機能のアンロックを目指そう!」ということになった。


 今日も護衛よろしくお願いします。



「そこの地面に生えてる植物、鑑定+実の採取が可能だな」


「あそこに生えてるやつ?」「雑草だと思ってました。美味しいんですかね?」


「『鑑定』!っと」


ウィンターイチゴ:キイチゴの一種。真っ赤な小さい実をつける。実は食用。


「ウィンターイチゴだってさ。これは地球の冬イチゴの事だろうな。結構美味いぞ」


「食べたことあるんですか?」


「ああ、毎年正月はじいちゃんの家に里帰りに行くんだ。で、毎年初日の出を見るべく近くの山に登るんだが、その山にフユイチゴが沢山生えてるんだ。リオカも覚えてるよな?」


「うん。日の出まで暇だから、採って食べてたわね。懐かしいわ~」


「最近は食べてないの?」


「受験やらなんやらで忙しくなっちゃって、里帰りも日帰りになっちゃって」


「なるほどね」


「ほい。一人3つずつだ」


「ありがと、いただきます!」「ありがとうございます。頂きます」


「「「おいしい~!!」」」


「また見つけたら採取しような」


「うん!」「はい!」


……

………


「あ、あっちにも似たような草が生えてますよ。あれもそうですか?」


「『鑑定』!」


スネークベリー:真っ赤な小さい実をつける。


「あれは……スネークベリー。地球のヘビイチゴが元ネタだと思う。残念ながら違う種類だ」


「そうですか……似てたのに残念」


「まあ、どっちもバラ科だからな。似てても変じゃないよ」


「実は生るんですか?」


「同じように赤い実が生るが食べれないな」


「まあ、名前からして毒々しいですよね」


「『蛇』イチゴだもんな。地球では毒イチゴの異名を持つ」


「うわ、じゃあ気を付けないとですね。美味しそうと思って食べたら大惨事ですね」

「え? ヘビイチゴって毒あったっけ?」


「ないんだなあ、これが。だから、フラウが心配するような事件は起きない。間違って食べても、せいぜい『マズ……』ってなるだけだ」


「え、そうなんですか? 紛らわしい」


「ドクダミと合わせて、二大『毒って名前なのに毒が無い植物』だな。それはともかく、スネークベリーも念のため採取しておくよ。教えてくれてありがとう」


「いえいえ、役に立てて何よりです」



「あ、そだそだお兄ちゃん?」


「?」


「ここからちょっと北側に行くとね、変な花がいっぱい咲いてる場所があるの! ちょっと寄ってかない?」


「いいぞ。フラウもそれでいいか?」


「はい。派手で綺麗な花でしたので、実を期待することは出来ないと思いますが、新種だと思いますよ」


……

………


「これって……」


「ね? ド派手な花でしょ!」


 二人が言っていたように確かにそこには派手な花があった。

 沢山の線が放射状に伸びた模様の花弁。それはまるで時計の秒目盛りのようだ。

 そこに太いおしべやめしべが付いている。それはまるで時計の長針と短針のようだ。


「鑑定するまでも無く、トケイソウだよな?」


「「時計草?」」

「あはは! 確かに時計に見える~。いいネーミングセンスね!」「時計ですか。確かにいい得て妙ですね」


「……二人とも、まさかとは思うが、俺が勝手にトケイソウって呼んでると思ってる?」


「「え? 本名なの?」」


「一応、『鑑定』!」


カラフルクロック:カラフルな見た目の花がなる植物。実は美味しい……らしい。


「ゲーム内の名前はカラフルクロック。『実は美味しい……らしい』って注釈が入ってるから、何らかの条件で実が手に入れる事が出来るんだと思う。思った通りのようだな」


「ちょっと、私達の質問に~!」「答えて下さいよおーー!」


「え、ああ。うん。トケイソウね。地球に実在する植物だよ」


「初めて聞いたわ」「私も初めてです。よくこんなマニアックな植物知ってましたね」


「いや、二人も絶対耳にしたことがある。絶対。その実は『果物時計草』って名前で売られてるよ」


「いや、絶対聞いたことない。そんな変わった商品があったら気に留めてる」「私も耳にしたことが無いですね」


「ちなみに、漢字で『果物時計草』と書くと、『クダモノトケイソウ』の他に別の読み方がある。それなら聞いたことあるんじゃないかな? パッションフルーツって読むんだけど」


「「はあ?」」


 果物時計草(パッションフルーツ)。難読漢字の一種だな。二人がつい「はあ?」と言いたくなるくらい難しい読みだ。


「『パッションフルーツ』なら、聞いたことあるわね」「同じくです。『果物時計草』ってパッションフルーツって読むんですか」


「以上。セイによる、雑学タイムズでした。また来週も見てね~。さて、番組の最後に今週の一問。時鳥と書いて何と読むでしょうーー? 正しい答えが分かったら、下の電話番号まで! 抽選で10名様に素敵なプレゼントがありますよーー!」


「いや、どこのクイズ番組じゃい!」


「お、フラウ、ナイスツッコミ!」


「あ、はい。すみません、ついタメ口に」


「気にしてないし、むしろノリのいいツッコミをありがとう!」


 実は採取できなかったが、トケイソウの葉っぱは持ち帰ることが出来る。もしかしたら、面白い効果があったり……と思っていくつか確保しておいた。




 こんな風に、俺たちの探索は楽しくにぎやかに進んでいくのである。








いつも読んで下さり、ありがとうございます。

今後ともよろしくお願いします!

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