キャットフード?
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今後ともよろしくお願いします!
「ああ、そうだそうだ。チャクラムかあ」
香に「もう! 何遅刻してんのよ! バカ!」と怒られながらせっせと昼食を作った後、俺はインターネットで調べ物をしていた。フライイングディスク・武器みたいなワードで検索してみるとすぐにその名前が分かった。チャクラムだ。
今日話した鍛冶職人の女性に教えた円盤状の遠距離攻撃武器。地球ではチャクラムと呼ばれており、古代南アジアで使われていたとのこと。弓が槍を遠距離攻撃用にした物とすると、チャクラムは剣を遠距離攻撃用にした物と言って差し支えないだろう。遠くにいるモンスターを切ることが出来る武器である。小型のチャクラムは腕輪みたいでお洒落だし、彼女にとって良い攻撃手段になるのではなかろうか。
彼女が本当にチャクラムを作ってみるのかは分からないが、次に会った時にチャクラムを身に着けていたらちょっと嬉しいな。
さてさて、お次に調べるのは魚肉で作った団子の作り方。どれどれ……。
魚の実を包丁で細かく刻み、それに塩や片栗粉を加える。練り練りして団子状にする。ゆでる。完成。わお、シンプル。
そういえば、あの世界に片栗粉が存在するのか分からないなあ。片栗粉の原料ってユリ科のカタクリだよなあ。いや、ジャガイモから取る馬鈴薯デンプンの方が流通しているか。いずれにせよ、向こうの世界にあってもおかしくないと思う。発酵やら科学的処理なしで作れるものだからね。
◆
午後1時。ログインする時間だ。レッツゴー!
まず向かったのは調味料を売っている卸売店っぽい小売店。前に塩や砂糖を爆買いした店だ。
しばらく見て回ると、ウィードデンプンなる物を見つけた。それがデンプンなのは明らかだが、なんのデンプンだ、これ?
「なにか、お困りで?」
「え、ああ。このウィードデンプンって何でしょうか? 片栗粉みたいなものですか?」
「ああ、それはヒールウィードの根を磨り潰して得られるデンプンだよ。まあ、片栗粉と思ってくれて差し支えない」
「へえ。え? ヒールウィードの根?」
「はい、ヒールウィードの根には渋くてとても生では食べられない芋がなるそうで。それからデンプンを抽出した物ですね」
「そ、そうなんですね」
あれえ? 俺がヒールウィードを収穫しても葉っぱしか手に入れることが出来なかった。うーん、やはり熟練度の問題なのだろうか? どうにかして調べる必要がありそうだ。
「ちなみに、重曹はありますか?」
「ないですね」
「そうですか。ありがとうございます。」
ふむ。重曹は無いのか。確か、天然の重曹は重炭酸ソーダ石という鉱物から取れる……はずだ。鉱脈が見つかっていないのだろうか?そうならば、攻略が進むまで俺に出来ることは無い。
◆
さて、料理をはじめましょうか!
まずは、魚の切り身をナイフで細かく切る。すり身として不要な部位(膜など)は取り除きましょうかね。
次に片栗粉を練りこみよく混ぜる。塩も少々入れてみよう。人が好むくらい多くの塩を入れてしまうと、猫は体調を崩しかねないそうなので注意しておこう。
練って、練って、練って。団子状にしたら下準備は終わりっと。あとは茹でるだけだ。
さて、ここからが重要。魚、塩、片栗粉の分量を変えた物を作っておき、どれが一番気に入るか確認だ。ついでに、ヒールウィードをちょいと加えた物も作ってみようかな。効果があるかは分からないけど。
どれがどれだか分かるようにメモしながら団子を作っていく。ちなみに、『鑑定』しても、全て『魚肉加工食品』と表示されるのであてにはならない。インベントリに仕舞うときは別のフォルダに入れなくては。
大量にあった魚の切り身の1/3ほどが団子になった。自分で作ったそれらを眺めて感慨にふける。いやあ。それはもうびっくりするぐらいの量になってしまった。
いまからこれ全部茹でなくちゃいけないんだよねえ……。頑張りま~すーー。
◆
いったいどれだけの時間が過ぎただろうか。
体感では3時間ぐらい茹でていた気がする。実際には20分程度なんだけどね。疲れたあ。
さて、肝心の出来だが、予想以上に上手く出来た。これを動物に差し出しながら「これから鬼退治に行くんだ! これあげるから仲間になってよ」と言いたくなる。あれ、あの昔話の場合、動物の方から「団子下さい」って頼むんだっけ? ちゃんと覚えてないや。
どれがどれだか分かるように、整理してインベントリに仕舞う。幸い、インベントリにはフォルダ機能があるので、どの団子がどういう調理法を使ったか一目で分かるように出来る。いやあ、ありがたい事この上ないね。
「『リオカの兄のセイです。いつもリオカがお世話になっています。魚肉で作った肉団子を大量に用意しました。是非、タマちゃんに食べさせてあげてください。どこかで受け渡しをしたいので、時間がある時に連絡ください。よろしくお願いします』っと。それほど仲が良い訳ではない年下の異性にメッセージを送る時の口調って難しいな……。無難に敬語にしておいたけど、変かなあ? まあいいか」
フラウにメッセージを送ってこの件はいったん終わりっと。




