表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/147

失敗する前に保険かけとこ

よし、20:00に更新しよう→ウトウト→は!!今何時?!→時計を見ると20:30→よし、21:00に更新しよう→ウトウト→……

となりがちなので、今後は寝る/寝ないに関わらず目覚まし時計をセットする事にします。

 3日目、ログインしました。AWTの世界に入ってすぐに、システムメッセージが入った。


ログアウト中にギルドより1512G入金されました。内訳を詳細に知りたい場合は、ステータス→所持品→所持金→履歴を参照ください。


○このメッセージを次回以降は表示しない


 ふむ、俺のオリジナルレシピであるHP回復薬(大)・HP微回復薬(大)などがどこかで売れたのだろう。こういう「一度頑張れば、暫くは働かなくてもお金が手に入る」っていう働き方、俺好きなんだよね。だからこそ、大学生になった俺はバイトはしないでゲーム製作に取り組んだのだ。


 このメッセージが毎回ログインするたびに表示されるのも面倒だな。


<○このメッセージを次回以降は表示しない>

の丸印をクリックして

<●このメッセージを次回以降は表示しない>

にする。


 これで、閉じるボタンを押せば、毎回このメッセージが表示されなくなるだろう。

 たぶん。



 さて、今日以降は「酵母菌を探す」ことに尽力するつもりだ。

 ここで、酵母菌(酵母・イースト)とは何者なのか、改めて確認しておきたい。俺自身も「細菌」「菌」なんかの区別に自身が無かったので、ログインする前に調べてみたのだ。


生物

├─古細菌

│ └─メタン菌など

├─真核生物

│ ├─動物

│ │ └─人・魚・虫など

│ ├─植物

│ │ └─桜・稲など

│ ├─原生生物

│ │ └─海藻・アメーバーなど

│ └─菌

│   └─キノコ・カビなど

└─細菌

  └─大腸菌・乳酸菌など(バクテリアと呼ばれる)


 生物の区分の仕方を大まかに示すとこんな感じである。古細菌はイメージしにくいかもしれないが、その他はなじみ深い(?)。

 見て分かるように、細菌と菌は全く違う部類に入っている。細菌の方が単純なつくりの生き物であり、菌の方が複雑なつくりの生き物である。ここで注意したいのは、大腸菌は菌と勘違いされがちだが実は細菌であること。「菌」と付くからと言って「菌」とは限らないのだ。


 では、酵母菌はどこに入るだろうか?古細菌?細菌?

 なんとなんと、酵母菌()菌なのだ。

 紛らわしい!!!


 ともかく、酵母菌はキノコやカビに近い品種であるという事を知っておこう。


 ちなみに、ウイルスはどこに入るかと言うと、「そもそも生物ではない」と定義されている。彼らは自己複製できないから、生命体に区分されないのだ。



 その上で、このAWTの世界における菌の捉え方を考えてみたい。まず、召喚術師である香が召喚可能な生き物はモンスターである。区分的には「動物」に属するだろう。逆に言うと、彼女は植物や菌を召喚する力は持っていないという事だ。


 俺の持つサブスキル『植物図鑑』は植物を鑑定することが出来るようになるスキルだが、逆に言うと海藻やキノコは鑑定できないと考えたほうがいい気がする。実際、森の中で地面に生えていたキノコは鑑定不可能・採取不可能だった。


 すなわち、現在「キノコなどの菌類を収穫したり操ったりするスキルを俺は知らない」ということになる。


 キノコの収穫が出来ないのと同様に、酵母が出来ても俺には収穫不可である可能性が否定できない。



 以上を踏まえて言いたいことがある。


 それは

 <<<これから行う俺の努力は全て無駄になるかもしれない>>>

 ということだ。



 それでも俺は酵母を探すのだ。

 何故かって?俺は研究者であり、俺は最強の錬金術師だからだ!



 さて、失敗しても恥ずかしくないようにしっかりと保険を掛けた上で、俺は行動を開始した。まずは情報収集だ。


「うぃっす!!串焼き屋、盛況してんのーー?」


「おお、旅人さんだけど、錬金術師やってる……」


「セイって名前だ。良かったら覚えておいてくれ。そちらの名前は?」


「俺の名前はドルフ=ドーバって言う。ドルフって呼んでくれ」


「ドルフか。改めてよろしく。ドルフ……ドワーフとエルフを混ぜたみたいな名前だな」


「ははは、確かに。まあ、俺は純粋なヒューマンなんだけどね」


「あれ、いつでも容姿は変更できるよな? 住人はそれが出来なかったり?」


「うーんと、見た目はある程度変えることが出来るが、種族は変えることが出来ないな」


「へえ、そんな制約が。あ、そうだ。前に言ったように酒を造ってみたいと思っててな。それで少し聞きたいことがあってな」


「おお、俺にわかることなら教えるが……マジで誰も全く分かってないんだ。何の情報も持ってないぞ?」


「いや、俺が聞きたいのは酒についてなんだけど、そうではなくてだな……。『この世界の食べ物って腐るのか』『キノコを採取している人はいないか』を知りたいんだ」


「ほう、なるほど。そういえば、酒やヨーグルトは食べ物が腐るのと似てるとかって聞いたことがあるような無いような。ただなあ、残念ながらこの世界では食べ物が腐ることは無いんだ。なんだったら一週間、肉を放っておいても安全に食べることが出来るぞ」


「ふむふむ」


「『キノコを採取している人』は見たことが無いなあ。キノコ型モンスターを倒す冒険者ならいるが……。なんでだ? シイタケの酒焼でも食いてえのか?」


「いや、そうではなくて、キノコは菌類であり、酒を造るのに使う酵母も菌類なんだ。だからキノコを採取できる=菌類を採取できる=酵母も育てることが出来るのではないかと思ったんだ」


「へえーー、それは知らんかった。前世では物化を選択したからなあ。生物の知識なんて抜け落ちてしまった。それじゃあ、乳酸菌もキノコに近いのか?」


「前世? まあいいや。乳酸菌についてだが、彼らは細菌類だからキノコと近縁ではないんだ。ややこしいよな……」


「へえ、同じ『菌』なのに全く種類が違えのか。ややこしいんだな」


「まあな。ともかく、情報ありがとう」


「いやいや、力になれんくてすまんな」


「いや、おかげさまで十分大きな収穫があったよ。ありがとさん!」


「?」




いつも読んでいただきありがとうございます。

今後ともよろしくお願いします!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ