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発熱石

AWTの世界に何があるのか色々と紹介する段階であり、なかなかストーリーが前に進んでくれないですが、温かい目で見守って頂けると幸いです。


今後ともよろしくお願いします。

 調理器具専門店「ウッドスプーン&フォーク」にて、調理器具を買った。内容は発熱石20個、フライパン、鍋三点セットだ。


 まずは分かりやすい物から。

 フライパンは鉄っぽい物で出来た普通のフライパンだ。唯一、面白い特徴を挙げるとすれば、それの区分が「装備品」になっている所だ。もしかして、これでモンスターと戦ったりできるのかな?鑑定してみよう。



フライパン:料理を作るのに使う。

<耐久値>

100.0

<効果>

なし

<特殊効果>

[料理器具]料理中の耐久値の減少率が0.1倍になる。代わりにモンスター相手に武器として使う際の耐久値の減少率が100,000倍になる。



 へえ。こんな感じに表示されるんだ。耐久値はおそらく「刃物の切れ味」的な感じだと思う。定期的に修理したり買い替えたりする必要があるのだろう。

 <効果>:なしという表示は何を意味しているのだろう?ちょっとよく分からないな。

 <特殊効果>が面白い。料理をしても耐久値がほとんど減らないということだ。メンテナンスの必要がないという事なのだろう。対してモンスターを相手にフライパンで攻撃をするとすぐに壊れてしまうようだ。スライム相手でも一発で耐久値が0になるような気がする。ちょっと親近感が湧いた。



 次、鍋三点セットは大中小の三つの鍋のセットである。これも装備品に区分されており、特殊効果[料理器具]が付与されている。



 最後に、良く分からないアイテム「発熱石」だ。これは鑑定してもこんな情報しか出なかった。


発熱石:火属性のモンスターからドロップ。ギルドで売り買いできる。

<耐久値>

100.0


 これの使い方は錬金スキルが知っている的な事を言っていたがどういう意味だろう?もしかすると、レシピとして公開されているのだろうか?公開レシピ一覧の中から、発熱石で検索をかけると……おお、出てきた。


<弱火>

□□□

熱□熱

□□□


<中火>

□熱□

熱□熱

□熱□


<強火>

熱熱□

熱□熱

□熱熱


ただし

□:何も置かない

熱:発熱石



 そー言われても良く分からないな。錬金台を使って試してみるか……



 という訳でやってきました、錬金ギルド・錬金室。「弱火」から試してみようか。レシピ通りに発熱石を設置して錬金スキルを発動させる。


「うわ! びっくりしたあ!」


 なんと錬金台の中央の穴のすぐ上にガスコンロの弱火のように見える火が灯った。ふむ、この上にフライパンを置くという事で良きかな?


 フライパンを設置して、その上に魚を置く。ジュウーという音とともに魚が焼ける。……すごいリアルだな。ナイフを突き立てるだけで魚は勝手に切り身になった。でも、料理においてはそういう訳にはいかず、まるで本当に料理をしているかのように事が進む。その分、料理のレパートリーが増えそうだな。これは研究のし甲斐がありそうだ。燃えてきた、燃えてきたぞ~! コンロの火も俺の研究者魂も燃えてきたーー!


 これ、どうやって火を止めるんだろう?発熱石を取り出したらいいのかな。

 錬金台から発熱石を取り出すと、火が徐々に小さくなり消えてしまった。


 さて、当たり前と言えば当たり前かもしれないが、錬金を行うと、材料は消えてしまう。HP回復薬を作ったならその材料であるヒールウィード四本は消えてしまう。しかし、発熱石を取り出して火を止めた時、発熱石は消えなかった。あれ?どういう事だろう?

 その疑問は鑑定してみることで明らかとなった。


発熱石:火属性のモンスターからドロップ。ギルドで売り買いできる。

<耐久値>

95.3


 のように耐久値少しが減っていた。発熱石の保有エネルギーの残量(?)が耐久値として現れるのだろう。

 錬金にはこういったタイプもあるのか。なかなか奥が深いな。



 ところで、焼いた魚は上手いかな?

 うーん、普通だなあ。やっぱり油で揚げたりタレで臭いを消したりしないことには臭みが残ってしまうな。



 さて、現実世界で魚のタレを作るとしたら「砂糖・みりん・醤油・酒」を使う。ウナギの蒲焼きに使われるような強いにおいのたれだね。サトウキビやテンサイを手に入れる事が出来たら砂糖は入手できるよな。でもみりんや醤油、酒などはどうやって手に入れるんだろう?

 においを消すという意味ではシソと梅の組み合わせもうまいよな。シソは手に入れているけど、梅が手に入るか分からないな。



 とにかく、美味いもんを食いたかったら、色々材料を集める必要があるな。うーん、実は普通に食材を売る店があったりするのだろうか?串焼き屋のおっちゃんにでも聞いてみるか。



「てなわけで、色々な調味料が手に入る店って知らないか?」


 串焼きを食べながらおっちゃんに尋ねる。


「塩と砂糖なら普通に売ってる店があるぜ。モンスター肉はギルドで買う事が出来るな。木の実については分からないな。酒は見つかっていない。この世界で酒の製造に成功した人物はいまだに見つかっていない。もし完成したら飲ませてくれや!」


「そうなのか。塩や砂糖の販売も北区にあるのか?」


「如何にも」


「モンスターの肉って……美味いのか?」


「普通にうまいぞ。この串焼きだってなんとかバードって名前のモンスターの肉だぞ」


「え、そうだったんだ。というか、酒は見つかっていないのか。驚きだなあ」


「まあな。ところで、塩や酒を何に使うつもりなんだ?」


「ああ、魚を焼く時のタレが欲しいと思ってな」


「ほほう。それは面白いな。完成したら俺にも売ってくれや。塩味以外の串焼きも作りたいからな」


「オーケー。楽しみにしててくれ。情報ありがとう。お互い頑張ろうぜ」


「おう!」




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