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23 試作

数日後、使用人に手配してもらっていた銀とミスリルが手元に来たので、わたしとヨハンは放課後に学園内の作業場を借りて加工を始めた。


「メア、お前…、銀細工まで得意なのか?本当になんでもできるんだな。」

真剣に作業するわたしを横で眺めていたヨハンが驚いたように呟く。


「なんでもできるように教育されたからね。音楽や工作は特に得意なんだ。絵だけはものすごく苦手なんだけど。」

「メアが苦手なものって…、それはそれで見てみたいけどな。」

ヨハンが揶揄うように笑った。


「…まあ、披露する機会はないと思うけどね。」

「てかその指輪、ウィルフリード様?とかいうやつに贈るんだよな?」

ヨハンがやたら真剣な表情で尋ねてくる。


「銀とミスリルの両方の素材で作ってみて、もし魔力の借り受けに効果があれば贈るつもりだよ。まずは一度、ウィル様にも試していただかないとな。元々保有している魔力量や属性によっても効果が変化するかもしれないし。」


「恋人でもないのに、装飾品を贈るなんて、その、どうんなんだ?いいのか?指輪は、なんていうか、意味深過ぎないか?」

ヨハンが少し焦ったように言い募る。


たしかに、考え無しに指輪なんて贈られては、もしかしたらウィルフリードが迷惑するかもしれない。

「そうだね。贈る前に、ウィル様にはちゃんと確認することにするよ。せっかく大切な人のために心を込めて作っているから、できれば使っていただきたいと思うけど…。」


「大切な人って、前に言ってた、兄弟みたいに良くしてくれてるってことだよな?そうだよな?な?」

「あ、ああ、うん。そうだよ。」

ヨハンの勢いに若干気圧されながら答えた。


「なら、2つ作って使わなかった方は俺にくれよ。俺もメアの作った指輪がほしい。…だめか?」

「だめじゃないけど…。わかった。ひとつはヨハンにあげるよ。」

「ほんとか!?よっしゃあ!」


魔力の多いヨハンには必要ないだろうと思ったが、頑張って作ったのに捨ててしまうのも勿体ないので、ほしいと言うならあげることにした。


指輪が二種類完成したので、さっそく魔力の借り受けを試してみた。


「んー、ん?あれ?できた?のかな…?」

「ミスリルの指輪を付けてると、さっき地面で試した時も、この木からも、少しは魔力を得られてる感じがするな。まじでほんのちょっとだけだけど。」


「あんまり有効な方法じゃなかったのかなあ。」

指輪なしに比べると、だいぶ魔力を借り易く感じたが、実戦で使えるような魔力の量ではない。


「もしかしたら、自分の中の魔力量が多いと、外部からの魔力の流れが阻害されるのかもしれないな。」

「そうか、そうだとしたら、ウィル様なら上手くいくかも。明日、ウィル様に時間があれば試してもらおう。」

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