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2 発現

メア・ウィンチェスター4歳。

美しく健やかに成長中である。


お父様やお兄様とお揃いの銀髪はとても艶やかで、顔立ちもお母様譲りの美人さんだと言われる。

笑った顔は天使のようだと褒め称えられる。


ただ、両親もお兄様も瞳は空の色なので、わたしだけ緑色なのが仲間外れみたいで少し寂しい。


今日は天気が良いので、お兄様と一緒にお庭に出て、そこら中を水浸しにする遊び…、をすると怒られるので、お花の水やりをすることにした。


お兄様が水やりのお手本を見せてくれる。

ジョウロからシャワー状に水が飛び出してくる。

太陽の光がきらきらと反射してとても綺麗だ。

早くわたしもやりたい。


「お嬢様…!?これは…!!」

そう思っていたら侍女が急に声を上げた。

「誰か!はやく旦那様を!」


手元をよく見てみると、わたしの手からお水が出ている。

さっき見たようなシャワーが自分の手から勝手に出ているのだ。

なにこれ。


「メア、お前…!」

いつも仏頂面のお兄様も珍しく驚いた顔でこちらを見ている。


そのうちに両親も駆けつけたが、お父様はいつも通り無表情、お母様はいつも通り笑顔、使用人たちはみんな困った顔をしていた。


「…瞳が緑色なだけで魔力はないという線も考えてはいたが。やはり加護を受けていない可能性が高いな。」

「仕方がないですわね。こうなったら他の分野でできるだけ頑張らせましょう。」

お父様とお母様が何か言っているが、何の話だかよくわからない。


でも、さっきみたいに不思議な力を使うとみんなを困らせてしまうようなので、これからは人目のあるところでは使わないことに決めた。


でも、べつに使うなとは言われてないし、誰もいないとこならいいよね。

ふふ、さっそく今日からいろいろ試しちゃお。


その日の夜は、疲れたから早めに寝るとかなんとか言って侍女をお部屋から追い出した。


まずは昼間出てきたお水から試してみる。

お部屋の水差しに手からお水を出してチョロチョロ入れる。

「おお、なんか楽しいかも。」


その後も毎晩早めに寝る振りをして、手からじゃなくてもお水を出せるのか、どのくらいの量、時間出せるのか、お水以外も出せるのか、蝋燭に火を灯せたりもするのか、氷は?風は?お花は?といろいろ試し続けた。


こっそり一年くらいかけて何度も試すうちに、だんだんと扱いが上達してきた気がする。


もっとたくさん試してみたいな。

他のお勉強みたいに教科書とかあるのかな。

こんな不思議なことができるって、わたしってもしかしてすごいんじゃない?

ウィンチェスター侯爵家始まって以来の天才かも。

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