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18 実習

測定を終えて実習室に戻ると、みんな思い思いに課題に取り組んでいた。

今日の課題は、魔力で好きな動物を形造るというものだった。


わたしは、一番たくさん練習した水の魔法で、馬の形を作った。

馬は優しくてかっこよくて可愛いから好きだ。

それに、騎士科の授業で散々馬に乗っていて見慣れていたので作りやすかった。


「…ねえ、ご覧になって。メア様のお作りになったお馬さん。とても精巧だし凛々しくて素晴らしいわ。」

「あら、ほんとうね。メア様はお姿がお美しいだけでなく、魔力の扱いにも長けていて、しかも芸術の才能もおありなのね。本当に素敵な騎士様だわ。」


周りの女の子達がチラチラとこちらを見ながらお話している。

わたしはここでも男だと思われているようで、女の子達にモテモテだ。


「メア・ウィンチェスター、大変結構。合格だ。」

ユリシス先生にも合格をもらえた。

授業のレベルについて行けそうでよかった。


隣でなにやら考え込んでいたヨハンが立ち上がった。

「メアに、すげえの見せてやるからな。見てろよ。」


どれどれ…。

そういえばヨハンは何属性なんだろうか。

ユリシス先生が、普通は一属性と言っていたし、ヨハンもきっと四つのうちのどれかなのだろう。


そんなことを考えていると、ヨハンの目の前に巨大なドラゴンが現れた。

水と土で形造られたその流麗な身体に雷が迸り、口からは火まで吹いている。


男の子はドラゴンが好きだ。

迫力満点である。


すごい…。

ヨハンの魔力も全属性だったんだ。

わたしは複数の魔法を同時に発動させることを試したことはなかった。

すごいよ、ヨハン。

こんな繊細な魔力操作ができるなんて。

感動した。


「すごいよ、ヨハンは天才魔導師だね。」


そう言ってわたしが微笑んだら、何故かヨハンは泣きそうな顔になった。


「俺、今まで、いくら頑張って魔法の練習をしても、全然認めてもらえなくて、だれも褒めてくれなくて…、うっ…。」

「ヨハン…。」

「だから、メアに褒められて、すごいって言われて、天才魔導師だって言われて嬉しい。すごく嬉しいんだ…。」


「だって本当にすごいよ。こんな繊細な魔力操作は簡単には身に付かないよね。たくさん練習したのでしょう?練習したからって誰にでもできることではないだろうけど…。ユリシス先生もそう思われますよね?」

いつの間にかユリシス先生が近くに来ていたので聞いてみた。


「そもそも全属性の魔力をもつ者が少なすぎて、練習すれば誰でもできるのかということは確かめようがない。それに、君を褒めたことくらいこれまでにもある。」

「は?いつ?いつだよ?もしかして、たまに、結構。とか言ってたの褒めてるつもりだったのかよ?」

「…言葉遣いには気を付けなさい、ヨハン・デイカー。」

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