表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
<R15>15歳未満の方は移動してください。

ダイエット薬

作者: 井上 みかん


『僕の彼女は太っている。』『だから、痩せる。』


『でも、彼女はダイエットが嫌いだ。』『だから、ダイエット薬を飲む。』


『そんな、怪しい薬を?』『怪しくない通販サイトで絶対痩せれると書いてあった。』


『絶対と書くやつは怪しい』『でも、もう、これしかないんだ。』


『君は思い込みが激しい』『そんなことない』


『これしかないと思うからそうとしか考えられないんだ。』『でも、私は飲む』


『数日がたった。』『私は痩せた。』


『だけど、それは、異常だった。』『3日で20キロ』


『僕の彼女は痩せた。普通の人と同じぐらいだ。』『60キロを普通というの?』


『そうだ。』『私はもっと痩せたい。』


『それから、数日後にはもっと、痩せた。』『一週間で40キロ痩せた。』


『飲むなって言っただろ』『怒らないで、私は痩せたいの』


『それ以上、飲むなら僕は出ていく』『私が痩せて嬉しくないの?』


『普通に痩せたらな?君は病的だ。』『飲みたい。飲みたい。』


『僕が出ていく時に彼女が残した言葉は』『痩せたい。』


『それだけだった。』『痩せたい。』


『その言葉だけが心残りで戻るのは3日後たった。』『痩せたい』


『廊下に倒れてた彼女は細かった。』『おかえり』


『約2週間で60キロ痩せ彼女は20キロになっていた。』『でも、私は』


『痩せたい?』『痩せたい。今よりももっと、今よりもずっと痩せたい。』


『ご飯は食べてる?』『食べてない。食べたら太る。』


『このままなら、倒れるよ。』『もう、倒れてる。頭痛い。気持ち悪い』


『食べよ?』『嫌だ。食べたくない。太りたくない。』


『お願い食べて?』『死んでも食べない。』


『食べてお願いします。』『嫌です。体重が1桁になりました。』


『そして、服だけが残り消えていった。』『私は0キロになりました。』



僕の記憶から彼女が消えました。体重のように……

そして、誰も忘れていった頃、僕の体重も次第に減り何を食べても美味しくなくなり吐くようになって死にました。


たった一言口にしただけで僕も彼女も消えた。


『太っている。』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ