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幕あい Part K 私が殺してみせるから
【500.7】
「エイル、もう遅い。
寝るんだ」
「……うん」
父さんはああ言うけれど、私は寝てなんかいられない。
アデュア兄さんは、魔女に殺された。
天使様は、アデュア兄さんに魔女を殺せと命じたらしい。
魔女は、まだどこかで生きている。
私が引き継がなきゃ。
兄さんの代わりに、私が魔女を殺すの。
洞窟の一角に、普段誰も入らない部屋がある。
宝物庫。そう呼ばれている。
中にはずっと昔に作られた機械や武器が誰にも触られずにそのまま残っている。
アデュア兄さんがつけて行ったのと同じ型の視覚情報装置があった。
首の後ろに装着してみる。
……見えた。
私の瞳は外の光景を映さないが、この装置があれば精神世界のエネルギーが全て認識できる。
それ以外にも様々な情報が直接脳に伝達され、私の頭の中の暗闇に投影される。
これが、世界の姿か。
想像していたほど、美しい景色ではなかった。
光の点が見える。
点滅している。
これは……殺害対象の位置情報?
アデュア兄さん、魔女に発信器を仕込んでくれていたのね。
今行くわ。
私が殺してみせるから。